NTT四国硬式野球部

NTT四国硬式野球部

愛媛県松山市を本拠地として活動した社会人野球チーム、NTT四国硬式野球部は、日本野球連盟に加盟していました。前身のチームを含め、1958年に創部されてから1999年に活動を終えるまで、約40年間にわたり四国地方の社会人野球を牽引した存在です。

チームの歴史

チームは1958年、当時の日本電信電話公社の四国支社を母体とし、「四国電電硬式野球部」として誕生しました。創部当初は、主に中国・四国地方の出身選手を中心に構成されていました。

創部から2年後の1960年には、「電電四国硬式野球部」と名称を変更。チームは着実に力をつけ、1963年には主要全国大会の一つである都市対抗野球大会に初出場を果たしました。その後も四国地方の強豪として存在感を示し、1973年にはJABA四国大会で初の優勝を飾っています。

1970年代には全国の舞台でも躍進を見せます。1974年には社会人野球日本選手権大会に初出場。そして1977年には同大会で決勝に進出し、準優勝という輝かしい成績を収めました。1980年代に入ってからも、1981年のJABA大阪大会、1986年のJABA九州大会、1988年のJABA伊勢・松阪大会など、各地の主要な社会人野球大会で優勝を果たしています。

1985年、日本電信電話公社の民営化に伴い、チーム名が「NTT四国硬式野球部」に改称されました。この頃からチームは全国大会の常連となり、特に日本選手権には1983年から16年連続出場という金字塔を打ち立てました。都市対抗野球大会にも、1984年から5年連続、そして1990年からも再び5年連続で出場するなど、四国代表として全国にその名を轟かせました。

解散、そして後身チームへ

チームの歴史は1999年に幕を閉じます。母体であるNTTグループの組織再編に伴い、NTT四国硬式野球部の廃部が決定されたのです。この決定を受け、同年1月にはチームの若手主力選手5名が、新たに設立されたNTT西日本硬式野球部へと移籍しました。

残った21名の部員たちは、チームの最後となるシーズンも活動を継続することを決めました。最後の年となった1999年、チームは奮起し、26年ぶりとなるJABA四国大会優勝を成し遂げました。そして、同年6月に行われた都市対抗野球大会の四国予選をもって、NTT四国硬式野球部はその長い歴史に終止符を打ち、解散しました。

チーム解散の翌年、2000年には、NTT四国硬式野球部の元部員らが中心となり、新たなクラブチームである「松山フェニックス」が設立され、現在も愛媛県の社会人野球を牽引しています。

主要大会における成績

NTT四国硬式野球部（前身含む）は、多くの全国大会や主要なJABA大会で活躍しました。

都市対抗野球大会
出場回数: 21回
社会人野球日本選手権大会
出場回数: 18回
最高成績: 準優勝 (1977年)
JABA大会優勝
JABA四国大会: 2回 (1973年、1999年)
JABA大阪大会: 1回 (1981年)
JABA九州大会: 1回 (1986年)
JABA伊勢・松阪大会: 1回 (1988年)

主な出身プロ野球選手

NTT四国硬式野球部からは、数多くのプロ野球選手が輩出されました。

前田康雄 (投手) - 1969年 ドラフト1位 ロッテオリオンズ
小金丸満 (内野手) - 1969年 ドラフト2位 ロッテオリオンズ
上甲秀男 (外野手) - 1970年 ドラフト7位 阪神タイガース
大本則夫 (投手) - 1974年 ドラフト5位 読売ジャイアンツ
渡辺智男 (投手) - 1988年 ドラフト1位 西武ライオンズ
西山一宇 (投手) - 1992年 ドラフト3位 読売ジャイアンツ
山部太 (投手) - 1993年 ドラフト1位 ヤクルトスワローズ
西川慎一 (投手) - 1993年 ドラフト2位 近鉄バファローズ
* 大貝恭史 (外野手) - 1993年 ドラフト4位 日本ハムファイターズ

NTT四国硬式野球部は、その活動期間において、四国地方の社会人野球の発展に大きく貢献し、数多くの野球選手を育成しました。解散後も、その野球への情熱は後身チームへと引き継がれています。

もう一度検索