Nehalemマイクロアーキテクチャ

Nehalemマイクロアーキテクチャとは

Nehalemマイクロアーキテクチャは、インテルが開発したマイクロプロセッサのアーキテクチャであり、2008年11月18日に正式発表され、「Core i」ブランドとして市場に投入されました。このアーキテクチャは、後のIntel Coreプロセッサシリーズの基礎となり、Nehalemを基盤とするCPUは、第1世代Intel Coreプロセッサとして位置づけられています。

開発の背景

Nehalemは、Coreマイクロ[[アーキテクチャ]]の後継として開発されました。開発は、Coreマイクロ[[アーキテクチャ]]の開発チームとは別に、Pentium IIIやPentium 4を手掛けたオレゴン州ヒルズボロのチームが担当しました。当初、NetBurstマイクロアーキテクチャの拡張版として紹介されたこともありましたが、NetBurstアーキテクチャの事実上の失敗を受け、Nehalemは大幅な設計変更を経て誕生しました。

主な特徴

Nehalemアーキテクチャは、1つのプロセッサに1～8個のコアを搭載し、ハイパースレッディング・テクノロジー（HT）を実装している点が大きな特徴です。これにより、マルチプロセッサ構成での柔軟性が向上し、コア数やシステム全体での処理能力が向上しました。最大8個のプロセッサ接続を想定しており、1コアあたり2スレッド、プロセッサ全体で最大16スレッド、システム全体では最大128スレッドの同時処理が可能です。

また、Coreマイクロ[[アーキテクチャ]]からCPUコア自体の設計が大幅に変更されています。キャッシュシステムも改良され、L1キャッシュは命令とデータそれぞれ32KBの合計64KB、L2キャッシュはコアごとに256KBと縮小された代わりにレイテンシが低減され、全コアで共有する大容量のL3キャッシュが配置されています。L3キャッシュの容量は製品ごとに異なり、差別化が図られています。さらに、プロセッサにDDR3 SDRAMメモリコントローラを2～4チャンネル統合しています。

プロセッサファミリ

Nehalemプロセッサファミリは、大きく分けて以下の3系統が存在します。

Bloomfield: Xeon向けのGainestown-DP（後にNehalem-EPへ改称）から派生したハイエンドコンシューマ向け。CPUバスにQuick Path Interconnect (QPI) を採用しています。
Lynnfield: メインストリーム向け。ノースブリッジ機能が統合され、サウスブリッジにあたるPCH (Platform Controller Hub) とDMI (Direct Media Interface) で接続されます。
Clarkdale: ローエンド向け。GPUも統合されています。

これらのプロセッサは、Core 2以前のチップセットやマザーボードとの互換性がありません。Core i7 (Bloomfield) の対応チップセットはIntel X58で、SLI（NVIDIA社がライセンスを個別に付与）やCrossFire（全チップネイティブに対応）をサポートしています。ソケットはLGA1366が採用されています。

新機軸

Nehalemアーキテクチャには、インテル ターボ・ブースト・テクノロジーが搭載されており、CPUの動作状況に応じてクロック周波数を動的に変化させることで、性能と消費電力のスループットを改善しています。この技術は、一部のCore i5およびCore i7モデルに搭載されています。

製品一覧

以下に、Nehalemマイクロアーキテクチャを基盤とする主な製品ファミリーを示します。

Nehalem

デスクトップ向け
Bloomfield (対応ソケット: LGA1366)
Lynnfield (対応ソケット: LGA1156)
サーバー向け
Nehalem-EX (対応ソケット: LGA1567)
Nehalem-EP (対応ソケット: LGA1366)
Bloomfield (対応ソケット: LGA1366)
Lynnfield (対応ソケット: LGA1156)
モバイル向け
Clarksfield
組み込み向け
Jasper Forest (対応ソケット: LGA1366)

Westmere

デスクトップ向け
Gulftown (対応ソケット: LGA1366)
Clarkdale (対応ソケット: LGA1156)
サーバー向け
Westmere-EX (対応ソケット: LGA1567)
Westmere-EP (対応ソケット: LGA1366)
Gulftown (対応ソケット: LGA1366)
Clarkdale (対応ソケット: LGA1156)
モバイル向け
Arrandale
組み込み向け
Arrandale

後継アーキテクチャ

Nehalemの後継となるマイクロアーキテクチャは、Sandy Bridgeマイクロアーキテクチャです。

関連項目

Coreマイクロ[[アーキテクチャ]]
* Sandy Bridgeマイクロアーキテクチャ

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