P4バス

P4バス

P4バスは、インテルがPentium 4で採用したCPUバスの通称です。Pentium 4以降に発表されたPentium M、Intel Core、Core 2とその派生製品でも採用されています。Pentium 4のパッケージ形状はPGA423、MicroPGA478、MicroPGA479、LGA775など様々ですが、Xeonプロセッサで採用されているMicroPGA603、MicroPGA604、LGA771でもバスの規格は同じです。

仕様

P4バスの最大の特徴は、Quad Pumpと呼ばれる技術により、動作クロックの4倍相当のクロックで動作することです。マザーボードから供給されるクロック信号から2倍周期のクロック信号を生成し、その信号の位相をずらして合成することで4倍相当のクロックを発生させ、データ転送を行います。初期の製品では100MHzのクロックを4倍の400MHz相当で動作させていました。

バス速度はその後向上し、133MHz、166MHz、200MHz、266MHz、333MHz、400MHzのそれぞれ4倍の533MHz、667MHz、800MHz、1066MHz、1333MHz、1600MHz相当で動作するようになりました。通常は4倍相当のクロックで呼称されることがほとんどです。

インテルのCPUバスはPentiumの時代から、1つのバスに接続できるCPUの数は2個で、CPUが1つのバスを共有する形態となっています。1つのバスでデュアルプロセッサまで対応できる構造であり、2つのバスを持つチップセットでは4個構成のCPUを使用できます。バスを共有することで構造の簡略化などの利点がありますが、共有によってノイズが発生し、クロックを共有しない場合よりも低く抑えざるを得ないという問題があります。

この点は、1対1で接続するAMDのK8プロセッサとは大きく異なり、技術的には1対1での接続の方が優れているという印象を持たれています。

背景

P4バスは、CPUとチップセットとの接続に用いられます。いわゆるFSB（フロントサイドバス）に相当するものです。インテルは自社の特許などを組み込んでいるため、他社がP4バス用のチップセットを販売するにはライセンス契約が必要でした。

VIA Technologiesは当初、ライセンスは不要であるとしてPentium 4用のP4X266チップセットを発売しましたが、インテルからの圧力を感じたのか、採用するマザーボードメーカーは現れませんでした。最終的に、VIAはOEMで自社ブランドで発売することになりました。その後、VIAも正式にライセンスを締結しています。

このライセンス制度は、アーキテクチャの一定品質を維持管理する役割も果たしていますが、自社の製品販売計画に不利となる製品を排除する排他的なものだという批判もあります。

関連項目

Pentium 4
Pentium D
Pentium M
Intel Core
Intel Core 2
AMD

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