P901iTV

FOMA P901iTV

FOMA P901iTVは、パナソニックモバイルコミュニケーションズによって開発され、NTTドコモから発売された第三世代携帯電話（FOMA）端末です。ドコモ初のテレビ搭載端末として、当時の携帯電話市場に大きなインパクトを与えました。以下に、その詳細を解説します。

概要

P901iTVの最大の特徴は、ドコモ初となるテレビ機能の搭載です。ワンセグ（地上デジタル放送）と地上波アナログ放送の両方に対応しており、場所を選ばずにテレビ視聴を楽しめる点が魅力でした。ドコモはP901iTVを発売するまでテレビ搭載端末を販売していなかったため、この機種はドコモのテレビ端末の先駆けとなりました。

ワンセグ対応端末としては、2番目に発売されました。後継機種であるFOMA D903iTV（2007年2月16日発売）が登場するまで、ドコモ唯一のワンセグ対応端末として存在しました。また、2008年 5月時点で、後継機種においてアナログ放送受信機能が搭載された機種は発売されなかったため、ドコモから発売されたテレビ搭載端末としては唯一、地上波アナログ放送に対応している機種です。

外部メモリはminiSDカードに対応しており、ドコモでは松下・東芝・サンディスク製の512MBまでのカードで動作確認がされています。カメラ性能も当時としては高く、アウトカメラには有効画素数約201万画素のνMaicoviconが搭載されています。アプリケーションCPUには、松下電器製のUniPhierが採用されました。ボタンは黄緑色に光る仕様となっています。

発売当初の価格は、東京都内の量販店で3万9900円と、ドコモのハイエンド端末の中でも最も高い価格帯に設定されていました。初のテレビ対応モデルということもあり、発表から発売まで半年近くの期間を要しました。対応するサービスは、開発当時の901i相当ですが、同時期に発売された902iシリーズが対応するプッシュトークやiチャネル、FOMAプラスエリアには対応していません。しかし、902i相当の機能に引き上げられている部分もあります。音楽再生は、SD-Audioの再生機能はなく、iモーション（AAC）での再生となります。

おサイフケータイ機能も搭載しており、iモードFeliCaを利用した電子マネー決済が可能です。

テレビ機能

携帯端末向け地上デジタル放送「ワンセグ」と、地上アナログ放送に対応したテレビチューナーを搭載しています。連続3時間のテレビ視聴が可能で、内蔵メモリには30分程度の番組録画ができます。2.5インチのディスプレイを備え、P505iSなどで採用された回転2軸ヒンジにより、画面を横に90度傾けて視聴できます。ただし、字幕放送には対応していません。画面比率が4:3のため、額縁放送となる場合がありますが、サイドカット表示も可能です。

特徴的なのは、FOMAカードが未挿入の状態でもテレビ視聴が可能な点です。この仕様のため、テレビ機能だけを利用するために購入し、すぐに解約するユーザーが現れました。キャリアとしては利用料による収益を見込んでいたため、この状況は不都合でした。そのため、903iTVシリーズ以降は、FOMAカードが挿入されていない状態ではテレビ機能が起動しないように仕様変更されました。しかし、2008年秋冬モデルから「端末はユーザーの所有物である」という観点から再び制限が廃止され、以降の機種ではP901iTVのようにFOMAカードなしでもワンセグが起動するようになっています。

テレビ視聴上の注意

アナログ放送を長時間視聴すると、内部基板や処理装置から発生する熱で本体表面温度が高くなることがあります。一方、地上デジタル放送（ワンセグ）視聴時にはこの問題は発生しません。

プリセットiアプリ

以下のiアプリがプリインストールされていました。

ソニック・ザ・ヘッジホッグ
アバパラ大富豪
インフォスクリーン
Gガイド番組表リモコン
電子マネーEdy
ファイナルファンタジーII（20万人限定でメーカー公式サイトにおいて無償提供）

歴史

2005年 9月27日：ドコモよりプレスリリース
2005年 11月10日：電気通信端末機器審査協会（JATE）通過
2005年 11月14日：技術基準適合証明（TELEC）通過
2006年 3月3日：発売開始

不具合

地上デジタル放送視聴中に、データ放送コンテンツ内の音声や音楽などのAACファイルの再生・停止を短時間に連続して行うと、表示画面が固まり、キー操作不能になる、または再起動してしまう不具合がありました。この不具合に対して、ソフトウェアアップデートが実施されました。

また、イヤホンマイク端子カバーの開閉方向と、付属するアンテナ内蔵型ステレオイヤホンのプラグから出ているコードの向きが同じであるため、カバーとプラグ根元のコードが干渉し、接触不良を起こす場合がありました。

外部リンク

P901iTV - Panasonic
ケータイ新製品SHOW CASE NTTドコモ P901iTV

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