Pleroma

Pleroma（プレーローマ）とは

Pleromaは、自由でオープンソースのミニブログソーシャル・ネットワーキング・サービスです。Xや新浪微博といった有名なミニブログサービスとは異なり、Pleromaは自分自身でホストし、運用することができるのが特長です。サーバーとウェブドメインを所有しているユーザーは、独自のインスタンスを作成し、管理できます。また、インスタンスの管理者は、自らの行動規範や利用規約、モデレーション方針を立てることができ、ユーザーが体験するコンテンツをきめ細かく制御します。

機能とネットワーク

PleromaはActivityPubプロトコルをサポートしており、この技術によりユーザーは他のPleromaインスタンスや、Fediverseと呼ばれる分散型ネットワーク上のソフトウェア（マストドン、Misskey、Pixelfedなど）と通信・交流が可能です。2024年7月現在、1,000以上のPleromaインスタンスと138,000以上のアカウントが稼働しています。

歴史

Pleromaプロジェクトは2016年、ドイツの匿名開発者「lain」によってスタートしました。最初はTwitterに似たユーザインタフェースを持つGNU socialの代替として設計されました。フロントエンドのQvitterと多くの類似点を持ち、Vue.jsとJavaScriptフレームワークで構築されました。セキュリティや機能性の面からGNU socialの設計に欠点があることを認識し、Pleromaはその後、GNU socialのバックエンドを代替する開発に至りました。初のバックエンドリポジトリへのコミットは2017年3月17日です。

2019年には、バックエンドの安定版が公開され、ユーザーのコンテンツ連合機能を強化しました。また、この頃からPleromaのフロントエンドは進化を遂げ、さまざまな機能が追加されました。2020年には新たなリリースが続き、より軽量で使いやすいプラットフォームへと発展しました。

フォークと分岐

2022年には、PleromaのフォークであるAkkomaが開発されました。Akkomaは、より迅速な開発と多様なカスタマイズを可能にするために最適化されています。

特徴と利便性

Pleromaは、他のミニブログサービスに比べシステムリソースの負荷が少なく、軽快に動作します。デフォルトでは、最大5,000文字の投稿が可能で、インスタンス管理者は制限を変更することもできます。さらに、マルチメディアのアップロードやアンケート機能も備えており、ユーザー体験を豊かにしています。HTML、BBコード、Markdownといったさまざまなマークアップ言語も投稿に利用できます。

また、Pleromaは独自のフロントエンドを備えていますが、他のユーザインタフェースもインストール可能です。更に、Message Rewrite Facility（MRF）により、インスタンス管理者は送受信するコンテンツを柔軟に変更できる仕組みがあります。これにより、Fediverse内でのモデレーションに関しても多様なポリシーを採用することが可能です。

採用と資金調達

Debianコミュニティは、Pleromaを使用して自身のミニブログサービスをホストしています。また、PleromaはNLnet財団から資金提供を受け、開発を支援されています。現在も進化を続けるPleromaは、ユーザーにとっての単なるSNSを超え、多様な機能を備えたプラットフォームとなっています。

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