Prosolid

prosolid（プロソリッド）とは

prosolid（プロソリッド）は、NTTドコモが展開していた携帯電話端末のブランド名、およびそのシリーズ名です。professional（プロフェッショナル）とsolid（ソリッド）を組み合わせた造語であり、登録商標となっています。このシリーズの最大の特徴は、外装に金属素材を多用し、高い強度と剛性を保ちながら、薄型化を実現している点です。ビジネスユーザーを主なターゲットとし、多機能化が進む他の携帯電話端末とは一線を画す、シンプルな設計がなされています。

概要

prosolidシリーズには、第二世代携帯電話（mova）端末の「prosolid」と、第三世代携帯電話（FOMA）端末の「prosolid II」が存在します。どちらもパナソニック モバイルコミュニケーションズが開発を担当し、薄型・小型・軽量化に優れた端末として知られています。また、ソフトバンクモバイル向けには、同様のコンセプトで開発された「SoftBank 705P」が存在しますが、NTTドコモがprosolidを商標として保持しているため、prosolidのブランド名は冠していません。

NTTドコモは、prosolidシリーズをコンセプトモデルの一つと位置づけており、機能を最小限に絞ったシンプルな仕様が特徴です。これは、多機能化が進む他の携帯電話端末へのアンチテーゼとも言えるでしょう。このコンセプトは、後のSIMPUREシリーズへと受け継がれていきます。

カメラ付き携帯電話が標準となる中で、prosolidシリーズはカメラを搭載しないという特徴を持っています。これは、企業や研究施設などで機密情報流出を防ぐためにカメラの持ち込みが制限される状況に対応したものです。そのため、カメラを搭載しない携帯電話の需要は一定数あり、既存の端末からカメラを除去した法人向けモデルも存在します。しかし、個人で購入可能なカメラなしのFOMA端末は、2007年9月時点でprosolid IIとらくらくホンベーシック、らくらくホンシンプルに限られていました。

機能と特徴

prosolidシリーズは、ストイックな仕様のため、同時期の他の携帯電話端末と比較して機能面では劣ります。音楽・動画再生、ワンセグ、おサイフケータイ、国際ローミングなど、多機能性を重視するユーザーへの訴求力は高くありません。また、携帯電話のカメラがテレビ電話やバーコード読み取りなど、多用途に利用されるようになった現代においては、その必要性を疑問視する声もあります。

しかし、prosolidシリーズはデザイン性と堅牢性で一定の評価を得ており、ビジネスシーンを中心に根強い支持があります。他キャリアでは、prosolidと同等以上の薄型化・多機能化を実現した製品も存在し、NTTドコモ自身もより薄い端末を発売しています。特にSoftBank 705Pは、200万画素カメラ、Bluetooth通信、国際ローミングに対応しつつ、prosolid以上の薄さを実現しており、今後のprosolidシリーズの進化の方向性を示唆する製品と言えるでしょう。

このような状況の中、2008年初頭には後継機種として「PROSOLID μ」が登場しました。これは、同時発表された「P705iμ」からカメラを撤去したモデルであり、「P705iCL」という型番で発売されました。

歴史

2004年9月9日: prosolidが電気通信端末機器審査協会 (JATE) の審査を通過。
2004年10月4日: prosolidがpremini-S、Music PORTER、Lechiffonとともに発表。
2004年10月5日: CEATEC JAPAN 2004に出展。
2004年12月3日: prosolid発売開始。
2005年9月30日: prosolid IIが電気通信端末機器審査協会 (JATE) の審査を通過。
2005年10月3日: prosolid IIがMusic Porter II、MUSIC PORTER X、らくらくホン シンプルとともに発表。
2005年10月4日: CEATEC JAPAN 2005に出展。
2005年11月25日: prosolid II発売開始。
2006年7月4日: NTTドコモがprosolidシリーズよりも薄いM702iSの開発を発表。
2006年10月7日: SoftBank 705P発売開始。
2007年11月1日: PROSOLID μが905iシリーズ、705iシリーズとともに発表。

各機種の詳細

mova P213i prosolid

「mova P213i prosolid」は、第二世代携帯電話（mova）端末であり、徹底的な薄型化が図られています。折りたたみ式で、アンテナを内蔵することにより、折りたたみ時の厚さ16.7mmを実現しました。外装にはアルミニウム、内部にはマグネシウム合金製フレームを採用することで、高い剛性を確保しています。カラーバリエーションは、シルバーとブラックの2種類です。

パナソニック製携帯電話の特徴であるワンプッシュオープンボタンや、メッシュ状のレシーバー、ノイズキャンセラーを搭載し、使いやすさと高い通話品質を実現しました。背面には有機ELサブディスプレイが搭載されており、時刻やメッセージを表示することができます。

この端末は、2005年のテレビドラマ『離婚弁護士II』で、瀬戸朝香演じる弁護士が使用したことで話題になりました。

主な仕様:

寸法: 高さ108mm x 幅49mm x 厚さ16.7mm
重量: 98g
メインディスプレイ: 2.2インチ TFT (132 x 176ピクセル)
サブディスプレイ: 0.8インチ 有機EL
バッテリー容量: 600mAh
連続待受時間: 400時間
連続通話時間: 125分

FOMA P851i prosolid II

「FOMA P851i prosolid II」は、第三世代携帯電話（FOMA）端末です。外装や内部構造、ワンプッシュオープンボタン、メッシュ状のレシーバーなど、基本的な設計はprosolidを踏襲しています。ディスプレイは2.2インチながら、QVGA液晶を採用し、表示品質が向上しています。背面には有機ELサブディスプレイを搭載し、アルミニウム製の外装パネルにはヘアライン加工が施されています。カラーバリエーションは、シルバーとブラックの2種類です。

ボタン部分は、通話・切断ボタンの色が変更され、新たにクリアボタンが追加されています。また、iアプリやiチャネルに対応し、赤外線通信機能も搭載されました。カメラは引き続き搭載されていませんが、テレビ電話には対応しており、通話相手の表情を見ながら会話できます（ただし、相手側には代替画像が表示されます）。

主な仕様:

寸法: 高さ106mm x 幅49mm x 厚さ16.7mm
重量: 99g
メインディスプレイ: 2.2インチ QVGA TFT (240 x 320ピクセル)
サブディスプレイ: 0.8インチ 有機EL
バッテリー容量: 800mAh
連続待受時間: 460時間
連続通話時間: 140分
連続テレビ電話時間: 100分

FOMA P705iCL PROSOLID μ

「FOMA P705iCL PROSOLID μ」は、ベースモデルであるP705iμからカメラを撤去したモデルです。詳細については、P705iμの項目を参照してください。

関連項目

P703iμ: 後継機種

脚注

外部リンク

prosolid 製品情報（NTTドコモ | パナソニック）
* prosolid II 製品情報（NTTドコモ | パナソニック）

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