Replica (Vaundyのアルバム)

Vaundy 2nd Album『replica』詳細解説

シンガーソングライターVaundyの2ndアルバム『replica』は、前作『strobo』から約3年半ぶりとなる待望のフルアルバムです。2023年11月15日にリリースされ、CD2枚組、全35曲というボリュームで、Vaundyの音楽性の幅広さと深さを堪能できる作品となっています。

アルバム概要

本作は、Disc1にタイアップ曲や新曲を含む15曲、Disc2には前作以降にリリースされた配信シングル19曲を収録。先行配信された楽曲も多数含まれますが、「裸の勇者」以外の楽曲は初CD化となり、ファンにとっては待望のパッケージリリースとなりました。

制作背景

2019年にデビューしたVaundyは、2020年に1stアルバム『strobo』をリリース。収録曲「不可幸力」が話題となり、一躍注目を集めました。その後も精力的に楽曲を制作し、2021年には「怪獣の花唄」や「東京フラッシュ」など、複数の楽曲がチャートイン。ライブ活動も活発化させ、全国ツアーを開催するなど、人気を不動のものとしました。

2022年には初のEP『裸の勇者』をリリースし、日本武道館でのワンマンライブを成功させるなど、活躍の場を広げました。また、楽曲提供やプロデュースも行い、多岐にわたる才能を発揮。年末にはNHK紅白歌合戦に初出場を果たすなど、まさに飛躍の年となりました。

2023年には、紅白歌合戦で披露した「怪獣の花唄」が再び脚光を浴び、ストリーミング再生回数を大きく伸ばしました。また、ドラマ主題歌やアニメ主題歌など、数々のタイアップ曲を担当し、その勢いは増すばかりです。

アルバムリリース

2023年7月、「FUJI ROCK FESTIVAL '23」にてアルバムリリースを発表。8月にはCD2枚組でのリリースが決定し、予約受付が開始されました。アルバムは完全生産限定盤と通常盤の2形態で発売され、限定盤はVaundy自身が設計したスペシャルパッケージ仕様。アナログ盤とカセットテープも後日発売されました。

アルバムのトレーラー映像は、Disc1とDisc2で分けて公開され、Disc2は既発曲のMVで構成、Disc1は新曲をCG映像と共に紹介するという凝った作りになっています。リリース直前には、アルバム収録曲「呼吸のように」が先行配信され、リリース日にはYouTubeで特別番組が配信されるなど、リリースに向けて様々なプロモーションが行われました。

また、リリース記念イベントとして横浜アリーナでライブが開催され、その模様はテレビ番組でも放送されました。

チャート成績

オリコン週間アルバムランキングでは3位、Billboard Japan Hot Albumsでは2位を獲得。アーティストチャートでは首位を獲得するなど、大きな成功を収めました。

収録内容

Disc1

Disc1は、Vaundyが「自分の本質に近い音楽」と語るように、実験的な要素も含まれた楽曲が収録されています。SEを挟みながら、楽曲の世界観が繋がるように設計されている点も特徴です。

ZERO: SpotifyのCMソングとして書き下ろされたギターロックナンバー。ライブを意識して作られたというだけあり、聴く者の体を揺さぶるような熱量を持っています。Vaundy曰く、歌詞はメロディを翻訳したようなでたらめ言葉で構成されているとのこと。
美電球: テレビ番組のオープニングテーマとして制作されたスタイリッシュなロックナンバー。坂本慎太郎を意識して作ったというVaundyの言葉通り、どこか懐かしさも感じさせるサウンドが魅力です。
カーニバル: Netflixドラマ主題歌。永野芽郁が出演するMVも話題になりました。
常熱: ゼクシィCMソング。アップテンポなラブソングで、Vaundyが一人で演奏を担当しています。
NEO JAPAN: BUDDHA BRANDに影響を受けて制作された初のラップ曲。Vaundyは「アルバムの中で一番自信がない」と語っていますが、実験的な試みが光る一曲です。
呼吸のように: 映画主題歌として書き下ろされたバラード。Vaundyが過去に制作していた未発表曲を映画の世界観に合わせて提供したもので、壮大なスケールで描かれる感動的な楽曲です。磯村勇斗が出演するMVも必見。
replica: アルバムのタイトルナンバー。デヴィッド・ボウイを意識して作られたという、アルバムのコンセプトを象徴するミディアムロックナンバー。

また、Disc1には「怪獣の花唄」やAdoに提供した「逆光」のセルフカバーも収録されており、新たなアレンジで楽しむことができます。特に「逆光 - replica -」には、凛として時雨のTKがギタリストとして参加しており、注目です。

Disc2

Disc2は、前作以降にリリースされた配信シングルがリリース順に収録されています。過去の楽曲をリアレンジして収録する予定だったが、収録曲の多さからおまけのような立ち位置になったとのことですが、Vaundyのこれまでの音楽活動を振り返る上で重要な内容となっています。

融解sink: 他人の不幸を吸い取って生きる人々の悲しみを描いた楽曲。南沙良が出演する幻想的なMVも話題になりました。
しわあわせ: 人と人の見えない繋がりを歌った壮大なバラード。オーケストラを率いたパフォーマンスも披露されました。
benefits: 恋愛が統率された世界をテーマに描かれた楽曲。里々佳、鈴木康介、桜木那智が出演するMVにも注目です。
泣き地蔵: バーチャル・プロダクション技術を駆使したMVが話題になった、現代社会への警鐘を鳴らすような楽曲。
走馬灯: 90年代オルタナティブロックサウンドが特徴的なバラード。
mabataki: サントリーBOSSのCMソング。Vaundy自身が監督を務め、菅田将暉が出演するMVも必見です。
瞳惚れ: シティーポップナンバー。仲野太賀が出演するMVで、恋に落ちる瞬間を表現しています。
忘れ物: マクドナルドのCMソング。宮﨑あおいが出演するMVは、不安な世の中でも必死に生きようとする人々を描いています。
置き手紙: モリサワフォントとのタイアップ曲。MVでは77種類のフォントを使用して歌詞が表現されています。
* まぶた: 月9ドラマ主題歌。市川染五郎、中島セナが出演するMVは、心を理解し合おうとする姿を描いています。

ツアーとライブ映画

アルバムリリース後には、アリーナツアー「replica ZERO」を開催。全国6箇所12公演を成功させました。ツアーの模様はライブ映画「劇場版 Vaundy one man live ARENA tour “replica ZERO”」として公開され、多くのファンを魅了しました。

ミュージシャン

アルバムには、TAIKING (Suchmos), TK (凛として時雨), hanna, Merlyn Kelly, 吉田一郎, 上ちゃん (マキシマム ザ ホルモン), BOBO, TAIHEI (Suchmos, SAI), 常田俊太郎, 亀井友莉, 須原杏, 三品芽生, 小林知弘, 村岡苑子など、豪華ミュージシャンが多数参加しています。

まとめ

Vaundyの2ndアルバム『replica』は、その音楽性の幅広さと深さを存分に堪能できる作品です。Disc1はVaundyの新たな挑戦が詰まっており、Disc2はこれまでの活動を振り返る上で重要な内容となっています。Vaundyのファンはもちろん、まだ彼の音楽に触れたことがない人も、ぜひこのアルバムを通してVaundyの世界を体験してみてください。

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