SOMPO美術館

SOMPO美術館：美術愛好家必見、新宿のオアシス

SOMPO美術館は、東京都新宿区に位置し、公益財団法人SOMPO美術財団によって運営されています。この美術館は、特に東郷青児の美術作品コレクションで知られていますが、その歴史は安田火災海上保険（現：損害保険ジャパン）が東郷青児の作品を早くから支援していたことに遡ります。

美術館の歴史

1976年、西新宿に本社ビルを新築する際、東郷青児の協力のもと美術館設置構想が具体化しました。東郷自身が200点の自作とコレクションを提供し、「東郷青児美術館」として開館。当初は損保ジャパン本社ビルの42階に位置していましたが、2020年7月には本社敷地内に新築された別棟に移転し、「SOMPO美術館」として新たなスタートを切りました。

コレクションの魅力

美術館のコレクションは、東郷青児をはじめとする現代日本洋画家の作品が中心ですが、企画展ではポップアートなど、幅広いジャンルの作品が展示されます。また、若手画家の育成にも力を入れており、展覧会や表彰企画も積極的に行っています。

特に有名な所蔵品は、1987年に約53億円で落札されたゴッホの『ひまわり』です。落札当初は贋作説も流れましたが、ゴッホ美術館の学芸員によって否定されています。2003年には、ゴッホが意図したとされる『ひまわり』と『ルーラン夫人ゆりかごを揺らす女』を並べる企画展が開催され、大きな話題となりました。

しかし、この『ひまわり』には複雑な背景があります。元所有者であったドイツ系ユダヤ人銀行家パウル・フォン・メンデルスゾーン＝バルトルディがナチス・ドイツの迫害を避けるために手放した経緯があり、その遺族が2022年12月に所有権返還と賠償を求めて提訴。SOMPO側は争う姿勢を示しています。

新美術館への移転

旧美術館では、展示スペースの制約や設備上の問題から、すべての所蔵作品を常設展示することが困難でした。そのため、2017年2月に美術館は新施設を建設することを発表。2020年7月10日、ついに新美術館「SOMPO美術館」がオープンしました。

新美術館は、地上6階・地下1階建てで、カフェやミュージアムショップ、展示スペース、事務所などを備えています。建物の設計は大成建設一級建築事務所が担当し、外観や内装には柔らかな曲線が用いられています。これは、収蔵品の中核である東郷青児の優美な女性像からインスピレーションを得たものです。また、正面玄関前には『ひまわり』を複製した陶板が設置されています。

美術館の沿革

• - 1976年：安田火災海上保険が財団法人安田火災美術財団を設立し、「東郷青児美術館」を開設。
• - 1987年：ゴッホの『ひまわり』を落札。
• - 2002年：損害保険ジャパン発足に伴い、美術館名を「損保ジャパン東郷青児美術館」に変更。
• - 2020年：美術館名を「SOMPO美術館」に変更し、新美術館へ移転。

主な収蔵作品

• - 東郷青児 『望郷』(1959年)
• - フィンセント・ファン・ゴッホ 『ひまわり』(1888年)
• - ポール・ゴーギャン『アリスカンの並木路、アルル』(1888年)
• - ポール・セザンヌ 『りんごとナプキン』(1879〜1880年)
• - ピエール＝オーギュスト・ルノワール 『帽子の娘』(1910年)
• - グランマ・モーゼス 『古い格子縞の家』(1944年)

映画との関わり

SOMPO美術館は、映画『名探偵コナン 業火の向日葵』にも登場します。この作品では、怪盗キッドがゴッホの『ひまわり』を盗むと予告した場所として描かれ、美術館および経営会社が協力しています。

SOMPO美術館は、美術愛好家だけでなく、多くの人々にとって魅力的な場所です。ぜひ一度、足を運んでみてください。

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