SOUL FIGHTING
SOUL FIGHTING（ソウル・ファイティング）は、中部日本放送（CBC）とSOUL BOX畑中ボクシングジムが共同でプロデュースするプロボクシングの定期興行、およびそのテレビ中継に冠されるタイトルです。
この興行は、2002年にスタートしました。中日本エリアから初の世界王者となった畑中清詞氏が設立・会長を務めるSOUL BOX畑中ボクシングジムと、畑中氏と長年深い関係を築いてきたCBCとの協力体制のもとに生まれました。興行は主に愛知県名古屋市にある名古屋国際会議場イベントホールで開催され、その模様はCBCテレビの深夜枠で放送されています。
テレビ中継の主軸となるのは、SOUL BOX畑中ボクシングジム所属の選手たちです。過去には杉田竜平、中野博、岡橋龍一、真教杉田、和賀寿和といった面々が、近年では田中恒成や畑中建人らが中心的な存在としてフィーチャーされています。しかし、畑中ジム所属選手に限定されず、東海地区内の他ジムに所属する有望なホープ、例えば大場浩平や長縄正春といった選手が取り上げられることもあります。
特に、畑中ジムから誕生した世界王者、田中恒成選手の試合は大きな注目を集めます。2015年5月30日に行われたフリアン・イェドラスとのWBO世界ミニマム級王座決定戦は、午後4時からの1時間枠で生中継され、キー局であるTBSをはじめとする一部系列局でも同時ネット放送されました。以降も、東海地区で開催される田中選手の主な世界タイトルマッチは、CBCテレビ制作により主に土曜日の昼に生中継されることが多く、試合によっては全国28局ネットで放送される場合もありました（例：2019年3月16日の田口良一戦）。なお、大阪や東京などで開催される大規模なダブル世界タイトルマッチの一戦として田中選手の試合が組まれる際には、CBC（大阪開催の場合は毎日放送MBSも）が制作協力を担当し、TBS制作の全国放送として生中継されるケースも見られます。一方で、田中選手が出場する試合であっても、主催プロモーターによっては他の放送局や配信プラットフォームで中継・配信される場合もあります（例：2014年10月30日に後楽園ホールで行われたOPBF東洋太平洋ミニマム級タイトルマッチの原隆二戦はフジテレビ「BOXINGフェニックスバトル」で放送されました）。
放送形態も時代の変化に合わせて多様化しています。2021年からは注目度の高い試合をParaviで生配信していましたが、2023年からはLocipoでのPPV（ペイパービュー）配信に切り替わりました。さらに、2024年以降に田中選手が出場する世界タイトルマッチなどは、Amazon Prime Videoの「Prime Video Boxing」シリーズにて配信されています。
CBCテレビのボクシング中継は、「SOUL FIGHTING」という名称が定着するよりも前から長い歴史を持っています。特に、現役高校生で松田ジムからプロデビューした畑中清詞選手にいち早く注目し、彼が世界タイトル挑戦の機運を高めると、世界前哨戦など主要な試合を単発で中継するようになりました。これはボクシング中継枠がレギュラーであったというよりは、将来有望な特定選手を継続的に追いかける過程で試合が放送されたという側面が強いものでした。畑中選手に続いて活躍した薬師寺保栄選手についても、同様のパターンで世界前哨戦などが単発枠で中継されています。
当時のCBCには専属のボクシング解説者がいなかったため、キー局TBSの解説者だった具志堅用高氏が解説を務めることがありました。また、1987年2月に畑中選手が日本スーパーフライ級王座を獲得した際、TBSが関東ローカル枠「ガッツファイティング」で放送したこの試合を、通常は放送のないCBCが後日（1987年2月28日）特別番組として放送するという異例の措置を取っています。
畑中選手と薬師寺選手は共に世界王座に到達しましたが、その世界戦中継の扱いは様々でした。畑中選手の初挑戦（1988年9月）は当時珍しい日曜午後の時間帯でしたが、試合が時間内に収まらない事態となりました。階級を上げての再挑戦（1991年2月）で世界王座を獲得した際は日曜夕方でしたが、この時TBSは同時ネットせず、東京スポーツに「綱引選手権に負けた世界タイトルマッチ」と皮肉られる記事が書かれたほどでした。初防衛戦（1991年6月）でようやく平日金曜日のゴールデンタイム・全国ネットが実現しましたが、この試合で王座を失いました。一方、薬師寺選手の世界初挑戦（1993年12月）以降は日曜日や祝日の夕方の時間帯が続きましたが、辰吉丈一郎選手との注目の一戦（1994年12月）が日曜日のゴールデンタイム・全国ネットで放送されて以降、その後の防衛戦も同様の時間帯で中継されました。なお、対辰吉戦以降はCBCラジオでもボクシング中継が制作されるようになりました（ラジオでのボクシング中継はこれが初めてでした）。
薬師寺選手が王座から陥落し引退する前後から、CBCは特定の選手だけでなく松田ジム全体をサポートする体制に移行し、定期的な中継に「REAL FIGHT BOXING」という番組タイトルを付けるようになりました。同じ頃、東海地区では松田ジム以外からもホープが現れ、名古屋テレビの「Nagoya TV EXCITE BOXING」や中京テレビの「Dynamic Boxing」といったローカルのボクシング中継枠が存在していました。
畑中ジム設立後、「REAL FIGHT BOXING」は松田ジムと畑中ジムという「松田ジム一門」による並立状態が続きましたが、2001年に松田ジムがCBCとの契約を終え、東海テレビと新たな中継契約を締結しました。これに伴い、「REAL FIGHTING BOXING」は畑中ジム単独の定期中継として「SOUL FIGHTING」へとリニューアルされることとなりました。
現在、東海地区の他のローカル局におけるボクシング中継は休止状態が続いており、事実上「SOUL FIGHTING」がこの地域で唯一レギュラー放送されているプロボクシング中継となっています。
概略と成り立ち
この興行は、2002年にスタートしました。中日本エリアから初の世界王者となった畑中清詞氏が設立・会長を務めるSOUL BOX畑中ボクシングジムと、畑中氏と長年深い関係を築いてきたCBCとの協力体制のもとに生まれました。興行は主に愛知県名古屋市にある名古屋国際会議場イベントホールで開催され、その模様はCBCテレビの深夜枠で放送されています。
テレビ中継の主軸となるのは、SOUL BOX畑中ボクシングジム所属の選手たちです。過去には杉田竜平、中野博、岡橋龍一、真教杉田、和賀寿和といった面々が、近年では田中恒成や畑中建人らが中心的な存在としてフィーチャーされています。しかし、畑中ジム所属選手に限定されず、東海地区内の他ジムに所属する有望なホープ、例えば大場浩平や長縄正春といった選手が取り上げられることもあります。
特に、畑中ジムから誕生した世界王者、田中恒成選手の試合は大きな注目を集めます。2015年5月30日に行われたフリアン・イェドラスとのWBO世界ミニマム級王座決定戦は、午後4時からの1時間枠で生中継され、キー局であるTBSをはじめとする一部系列局でも同時ネット放送されました。以降も、東海地区で開催される田中選手の主な世界タイトルマッチは、CBCテレビ制作により主に土曜日の昼に生中継されることが多く、試合によっては全国28局ネットで放送される場合もありました（例：2019年3月16日の田口良一戦）。なお、大阪や東京などで開催される大規模なダブル世界タイトルマッチの一戦として田中選手の試合が組まれる際には、CBC（大阪開催の場合は毎日放送MBSも）が制作協力を担当し、TBS制作の全国放送として生中継されるケースも見られます。一方で、田中選手が出場する試合であっても、主催プロモーターによっては他の放送局や配信プラットフォームで中継・配信される場合もあります（例：2014年10月30日に後楽園ホールで行われたOPBF東洋太平洋ミニマム級タイトルマッチの原隆二戦はフジテレビ「BOXINGフェニックスバトル」で放送されました）。
放送形態も時代の変化に合わせて多様化しています。2021年からは注目度の高い試合をParaviで生配信していましたが、2023年からはLocipoでのPPV（ペイパービュー）配信に切り替わりました。さらに、2024年以降に田中選手が出場する世界タイトルマッチなどは、Amazon Prime Videoの「Prime Video Boxing」シリーズにて配信されています。
CBCテレビ ボクシング中継の前史
CBCテレビのボクシング中継は、「SOUL FIGHTING」という名称が定着するよりも前から長い歴史を持っています。特に、現役高校生で松田ジムからプロデビューした畑中清詞選手にいち早く注目し、彼が世界タイトル挑戦の機運を高めると、世界前哨戦など主要な試合を単発で中継するようになりました。これはボクシング中継枠がレギュラーであったというよりは、将来有望な特定選手を継続的に追いかける過程で試合が放送されたという側面が強いものでした。畑中選手に続いて活躍した薬師寺保栄選手についても、同様のパターンで世界前哨戦などが単発枠で中継されています。
当時のCBCには専属のボクシング解説者がいなかったため、キー局TBSの解説者だった具志堅用高氏が解説を務めることがありました。また、1987年2月に畑中選手が日本スーパーフライ級王座を獲得した際、TBSが関東ローカル枠「ガッツファイティング」で放送したこの試合を、通常は放送のないCBCが後日（1987年2月28日）特別番組として放送するという異例の措置を取っています。
畑中選手と薬師寺選手は共に世界王座に到達しましたが、その世界戦中継の扱いは様々でした。畑中選手の初挑戦（1988年9月）は当時珍しい日曜午後の時間帯でしたが、試合が時間内に収まらない事態となりました。階級を上げての再挑戦（1991年2月）で世界王座を獲得した際は日曜夕方でしたが、この時TBSは同時ネットせず、東京スポーツに「綱引選手権に負けた世界タイトルマッチ」と皮肉られる記事が書かれたほどでした。初防衛戦（1991年6月）でようやく平日金曜日のゴールデンタイム・全国ネットが実現しましたが、この試合で王座を失いました。一方、薬師寺選手の世界初挑戦（1993年12月）以降は日曜日や祝日の夕方の時間帯が続きましたが、辰吉丈一郎選手との注目の一戦（1994年12月）が日曜日のゴールデンタイム・全国ネットで放送されて以降、その後の防衛戦も同様の時間帯で中継されました。なお、対辰吉戦以降はCBCラジオでもボクシング中継が制作されるようになりました（ラジオでのボクシング中継はこれが初めてでした）。
薬師寺選手が王座から陥落し引退する前後から、CBCは特定の選手だけでなく松田ジム全体をサポートする体制に移行し、定期的な中継に「REAL FIGHT BOXING」という番組タイトルを付けるようになりました。同じ頃、東海地区では松田ジム以外からもホープが現れ、名古屋テレビの「Nagoya TV EXCITE BOXING」や中京テレビの「Dynamic Boxing」といったローカルのボクシング中継枠が存在していました。
畑中ジム設立後、「REAL FIGHT BOXING」は松田ジムと畑中ジムという「松田ジム一門」による並立状態が続きましたが、2001年に松田ジムがCBCとの契約を終え、東海テレビと新たな中継契約を締結しました。これに伴い、「REAL FIGHTING BOXING」は畑中ジム単独の定期中継として「SOUL FIGHTING」へとリニューアルされることとなりました。
現在、東海地区の他のローカル局におけるボクシング中継は休止状態が続いており、事実上「SOUL FIGHTING」がこの地域で唯一レギュラー放送されているプロボクシング中継となっています。
主な解説者・実況アナウンサー
解説
- - 飯田覚士
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