STS-135

STS-135：スペースシャトル、最後のミッション

STS-135は、2011年7月8日に打ち上げられた、スペースシャトル・アトランティスによる国際宇宙ステーション（ISS）への最後の飛行ミッションです。30年に及ぶスペースシャトル計画の終焉を飾る、歴史的なフライトとなりました。

ミッションの目的

STS-135の主な目的は、多目的補給モジュール「ラファエロ」を使用して、ISSへの機材や物資の補給を行うことでした。また、軽量型曝露実験装置支援機材キャリア（LMC）を用いて、ロボットによる燃料補給ミッション（RRM）の実験装置を運び、故障したアンモニアポンプをISSから回収しました。

シャトルによる最後の補給フライトであったため、ISS滞在クルーが約1年間滞在できる量（HTV-3とATV-3による補給を除けば半年分）の物資を補給しました。また、大量の物資を回収できる最後の機会であったため、ミッション期間を1日延長して、不用品の回収も行われました。

特徴的な運用

通常、シャトルミッションでは、耐熱パネルの損傷などで帰還できなくなった場合に備えて、もう1機のシャトルが救援機として準備されます。しかし、STS-135では救援機の用意はなく、緊急時にはソユーズ宇宙船での救援飛行を行う必要がありました。そのため、クルーの人数は4人と通常よりも少なく設定されました。

シャトルクルーだけでは人手が足りないため、古川聡宇宙飛行士を含むISSクルーが物資の移送や船外活動を行うなど、特徴的な運用が行われました。

打ち上げ直前には、外部燃料タンク頂上の酸素ベントアームが正常に格納されていないという信号が確認され、カウントダウンが一時停止しました。確認の結果、誤信号であることが判明し、2分18秒遅れで打ち上げられましたが、飛行に支障はありませんでした。

シャトル分離後には、ISSの横からの全景写真を撮影するために、ISSの姿勢変更が行われました。

ミッションの来歴

STS-135は元々、シャトル最後の飛行であるSTS-134がトラブルによって地球に帰還できなくなった際に、救出ミッション（STS-335）として計画されていました。STS-134のミッション中は打ち上げ可能な状態で地上待機している予定でしたが、STS-134が無事に帰還したため、ミッションは取り消される予定でした。しかし、NASAは費用をかけて準備をしておいてから飛行しないのは無駄であると考え、ミッションを取り消さずにSTS-135として飛行させることを決定しました。

その後、2010年9月にSTS-135の予算が議会で認められ、正式にSTS-135の飛行が決定しました。

搭乗クルー

クリストファー・ファーガソン (3) - 船長
ダグラス・ハーリー (2) - パイロット
サンドラ・マグナス (3) - ミッションスペシャリスト
レックス・ウォルハイム (3) - ミッションスペシャリスト

※ かっこ内の数字は、今回を含めたフライト経験数。

エピソード

シャトルの初飛行であるSTS-1に搭載された星条旗が、STS-135にも搭載されて運ばれました。この星条旗は、「米国が再び新たな有人宇宙船を開発して必ず回収しに来る」という意味を込めて、ISSのハーモニーモジュールのハッチに設置されました。この星条旗は9年後の2020年に、スペースXのCrew Dragon Demo-2ミッションで回収されました。

ケネディ宇宙センター周辺には、通常の7倍近い100万人以上の見物客が集まりました。

広報活動の一環として、映画『宇宙兄弟』の2人（小栗旬、岡田将生）の写真が搭載されました。

ギャラリー

STS-135の画像ギャラリー (画像は存在しないため、仮のURLです)

関連情報

STS-135 Mission Information - NASA
国際宇宙ステーションの組立フライト ULF7（STS-135） - JAXA

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