STS-95

STS-95ミッション概要

STS-95は、1998年10月にスペースシャトル・ディスカバリーによって実施された、8日間にわたる有人宇宙飛行ミッションです。ディスカバリーにとって25回目の飛行であり、スペースシャトル計画全体としては92回目のミッションとなりました。このミッションは、様々な点で大きな注目を集めました。

ジョン・グレンの復帰

最も注目されたのは、1962年にアメリカ初の有人宇宙飛行を行ったジョン・ハーシェル・グレンが、77歳という高齢で再び宇宙へ飛び立ったことです。これは、マーキュリー計画時代から宇宙飛行士として活躍していたグレンにとって2度目の宇宙飛行であり、同時に最年長宇宙飛行士となる記録を打ち立てました。グレンの宇宙復帰は、宇宙開発の歴史における偉大な出来事として、世界中で大きな話題となりました。

初のスペイン人宇宙飛行士

また、このミッションでは、ペドロ・デュケがスペイン人として初めて宇宙へ飛び立ちました。これはスペインの宇宙開発史における大きな一歩であり、国際的な宇宙協力の象徴ともなりました。

ミッション内容

STS-95の主な目的は、以下の通りです。

物科学研究: Spacehabモジュールを用いて、様々な物資や材料に関する研究が行われました。これは、宇宙環境が物質に及ぼす影響を理解し、新たな材料開発に繋げるための重要な実験でした。
太陽の地球の生命への影響の研究: 太陽活動が地球の生命に与える影響を調査するため、様々な観測機器が使用されました。特に、太陽風の加速メカニズムを解明するために、Spartan 201という衛星が放出され、シャトルから離れて観測を行いました。

その他の注目点

このミッションは、アメリカ合衆国でATSC方式による高精細度テレビ放送が開始された時期と重なったことも、特筆すべき点です。

乗組員

STS-95ミッションには、以下の7名の宇宙飛行士が搭乗しました。

カーティス・ブラウン (1) - コマンダー
スティーヴン・W・リンジー (2) - パイロット
スティーブン・ロビンソン (2) - ペイロードコマンダー
スコット・パラジンスキー (3) - ミッションスペシャリスト
ペドロ・デュケ (1) - ミッションスペシャリスト（欧州宇宙機関）
向井千秋 (2) - ペイロードスペシャリスト（宇宙航空研究開発機構）
ジョン・ハーシェル・グレン (2) - ペイロードスペシャリスト


（）内の数字は、その宇宙飛行士が過去に経験した宇宙飛行の回数を示しています。

外部リンク

NASA mission summary - ウェイバックマシン（2001年2月2日アーカイブ分）
STS-95 Video Highlights - ウェイバックマシン（2007年10月12日アーカイブ分）
NASA Shuttle Press Kit STS-95

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