カーティス・ブラウン

カーティス・ブラウン:空軍大佐からNASA宇宙飛行士



カーティス・リー・"カート"・ブラウン・ジュニア(Curtis Lee "Curt" Brown Jr.、1956年3月11日生まれ)は、アメリカ航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士であり、アメリカ空軍大佐です。彼は6度の宇宙飛行を経験し、宇宙での滞在時間は合計1383時間に及びます。

教育



1974年にノースカロライナ州エリザベスタウンのイースト・ブラーデン高校を卒業後、1978年に空軍士官学校で電気工学の学士号を取得しました。彼の学業における卓越性は、その後の輝かしいキャリアの基盤となりました。

軍でのキャリア



1978年に空軍士官学校で少尉に任官され、テキサス州デル・リオのラフリン空軍基地でパイロット訓練を修了しました。1979年7月に卒業後、サウスカロライナ州マートルビーチ空軍基地にA-10パイロットとして配属されました。アリゾナ州デビスモンサン空軍基地でA-10の訓練を修了した後、1980年1月に当地に到着。1982年3月には、A-10の教官として、デビスモンサン空軍基地に再配属されました。

1983年1月からは、ネバダ州ネリス空軍基地にある空軍のFighter Weapons Schoolで学び、A-10の武器及び戦術の教官としてデビスモンサン空軍基地に戻りました。1985年6月からは、カリフォルニア州エドワーズ空軍基地にある空軍のTest Pilot Schoolで学び、1986年6月に卒業すると、フロリダ州エグリン空軍基地に配属され、宇宙飛行士に選ばれるまでの間、A-10とF-16のテストパイロットを務めました。ジェット機での飛行時間は6000時間以上に達します。

NASAでのキャリア



1987年1月にNASAによって宇宙飛行士候補に選ばれ、1988年8月に1年間の訓練及び評価のプログラムを終え、宇宙飛行士となりました。割り当てられた仕事としては、シャトルミッションシミュレータの更新、フライトデータファイルの開発、乗組員の打上げ前の搭乗及び着陸後の降機の支援、スペースシャトル・コロンビア及びスペースシャトル・ディスカバリーの地上での改修のモニター等に従事しました。

宇宙飛行



カーティス・ブラウンは、以下の6つのミッションで宇宙飛行を経験しました。

STS-47 (1992年): アメリカと日本の共同ミッションで、生命科学と材料科学の実験が行われました。地球を126周し、ケネディ宇宙センターに帰還。ミッション期間は190時間30分26秒でした。
STS-66 (1994年): Atmospheric Laboratory for Applications and Science 3 (ATLAS-3)ミッション。地球のエネルギーバランスと大気の変化を調査するプログラムの一部として、11日間で地球を175周し、エドワーズ空軍基地に帰還。ミッション期間は262時間34分でした。
STS-77 (1996年): エンデバーによる10日間のミッション。SPARTAN衛星とのランデブーや、スペースハブでの材料科学、流体力学生物工学の実験が行われました。240時間39分で410万マイルを飛行し、地球を160周しました。
STS-85 (1997年): 12日間のミッションで、CRISTA-SPASペイロードの展開、回収や、日本のManipulator Flight Demonstration (MFD)ロボットアームの操作、地球の大気の変化の研究、将来の国際宇宙ステーションで用いられる技術の試験が行われました。284時間27分で470万マイルを飛行し、地球を189周しました。
STS-95 (1998年): 9日間のミッションで、スパルタン太陽観測衛星やハッブル宇宙望遠鏡のOrbital Systems Test Platformの展開、宇宙飛行と老化過程の研究等が行われました。213時間44分で360万マイルを飛行し、地球を134周しました。77歳のジョン・ハーシェル・グレンが38年ぶりに宇宙飛行を行ったことで注目を集めました。
STS-103 (1999年): 8日間のミッションで、3度の宇宙遊泳でハッブル宇宙望遠鏡に新しい機器や更新システムが取り付けられ、科学的能力が向上しました。191時間11分で320万マイルを飛行し、地球を120周しました。

名誉等



カーティス・ブラウンは、その功績により数々の勲章を受けています。

ディフェンス・スーピアリアサービスメダル
ディフェンス・メリットリアスサービスメダル (2つ)
メリットリアスサービスメダル
コメンデーションメダル
アチーブメントメダル
NASA Space Flight Medal (6つ)

カーティス・ブラウンは、その卓越した操縦技術と科学への貢献により、アメリカの宇宙開発史に名を残す人物です。

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