S/2004 S 17

S/2004 S 17は、土星を周回する小さな衛星の一つです。2004年12月12日に、スコット・S・シェパード氏、デビッド・C・ジューイット氏、ブライアン・マースデン氏、ジャン・クレイナ氏らの観測チームによって発見されました。

この発見には、すばる望遠鏡、W・M・ケック天文台、ジェミニ北望遠鏡といった、世界でも有数の大型望遠鏡群が用いられました。これらの望遠鏡の高い観測能力によって、S/2004 S 17のような小さな天体も捉えることが可能になりました。

発見の事実は、翌2005年5月3日に小惑星センターのサーキュラーで、そして5月4日には国際天文学連合のサーキュラーでそれぞれ公表され、S/2004 S 17という仮符号が与えられました。この一連の観測では、S/2004 S 17を含め、合計12個もの新しい土星の衛星が発見されるという大きな成果を上げました。

S/2004 S 17は、推定直径が約4kmしかない非常に小さな衛星です。土星の他の多くの衛星とは異なり、逆行軌道を持っていることが特徴的です。この軌道の特徴から、北欧群と呼ばれる衛星のグループに属すると考えられていますが、その起源や詳しい性質については、まだ多くの謎が残されています。

しかし、S/2004 S 17は、2004年の発見報告以降、再検出されていません。これは、非常に小さく、暗い天体であるため、観測が難しいことが原因と考えられています。そのため、現在では見失われた状態にあり、その詳細な軌道や物理的な性質を調べることは困難な状況です。

S/2004 S 17は、土星の衛星の中でも特に謎の多い天体の一つと言えるでしょう。今後の観測技術の進歩によって、再びその姿を捉え、より詳しい情報が得られることが期待されます。これにより、土星の衛星の形成過程や、太陽系の歴史について、新たな知見が得られる可能性があります。

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