Super Socket 7

Super Socket 7とは

Super Socket 7（スーパーソケットセブン）は、既存のSocket 7仕様を改良した新たなZIFソケットの形式です。このソケットは、主にAMD社製のプロセッサや他のメーカーのチップに対応するように設計されており、100MHzのフロントサイドバス（FSB）、AGPポート、そしてSPGAパッケージをサポートしています。

このソケットの特徴として、AMDのK6-2シリーズ（300MHzから550MHz）、K6-III、IDTのWinchip 2、CyrixのMII、RiseのmP6といった多様なCPUに対応しています。一方で、Super Socket 7はSocket 7との後方互換性を持っており、適切なBIOSが備わっていれば、Socket 5やSocket 7のCPUもSuper Socket 7のマザーボードで動作させることが可能です。しかし同時に、反対にSuper Socket 7対応のCPUはSocket 7のマザーボードでは動作しないため、注意が必要です。

電力消費と互換性の問題

Super Socket 7のCPUは、Socket 7のCPUに比べて消費電力が高いものが多く、誤ってSocket 7のマザーボードにこれらのCPUを取り付けると、マザーボードの電源回路が故障する可能性があるため、特に慎重になる必要があります。また、Socket 5のCPUとSuper Socket 7は物理的にピン互換性はありますが、全てのSuper Socket 7のマザーボードがSocket 5のCPUに必要な電圧を供給できるわけではないため、互換性の問題が生じることがあります。

AMDの挑戦とSocket 7の意義

当時、AMDは自社のプロセッサを動作させるためにインテルのソケットを使用していましたが、Socket 7がAMDが法的権利を保持した最後のソケットとなりました。インテルがSocket 7を廃止し、Slot 1へとシフトしたことで、AMDはプラットフォームの競争力を失う危機に直面しました。しかし、FSBの周波数を100MHzに拡張し、Super Socket 7を利用することで一時しのぎの解決策を見出したのです。

ゲタによる互換性の確保

また、BIOSが適切に機能すれば、外部電源回路やクロック倍率変更回路を装備した「ゲタ」を使うことでSocket 5やSocket 7のマシンにSuper Socket 7のCPUを搭載することも可能でした。この「ゲタ」により、バッファローやアイ・オー・データ機器などの周辺機器メーカーがCPUアクセラレーターを市場に投入し、アップグレードが容易に行える環境が整いました。

このアプローチによって、Super Socket 7はその後も論理的なプラットフォームとして機能し、Slot Aの登場以降も長命化しました。

サードパーティチップセットの影響

Super Socket 7はコスト効率が良いものの、インテルの戦略によりAMDは困難に直面しました。多くのサードパーティから供給されるチップセット（VIA、SiSなど）は、互換性や信頼性に欠けるものが多く、特にAGPの互換性には問題がありました。その結果、サードパーティチップセットからの不具合によるAMDへの批判が続き、AMDがAthlonを発表し、自社でチップセット開発に本格参入するまでその批判は長引くことになりました。

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