T34カリオペ

T34 カリオペ：戦車搭載型多連装ロケット砲

T34 カリオペは、第二次世界大戦中にアメリカ陸軍が使用した、戦車に搭載された多連装ロケット砲です。その特徴的な外観と強力な火力で知られています。

概要

「カリオペ」という名称は、多数のパイプが並んだ外観が、蒸気オルガンの一種である「カリオペ」に似ていることに由来します。M4中戦車の砲塔上に設置され、60門の砲身から4.5インチM8ロケット弾を一斉に発射することができました。

発射機の旋回は砲塔、俯仰は砲身によって行われます。初期型では、砲身を固定するリングが主砲の稼働を妨げるため、主砲とロケット弾発射機の同時使用はできませんでした。しかし、後に現地で改造が施され、主砲防盾にリングを載せるための板を追加することで、主砲の発射も可能となりました。

開発は1943年に行われ、少数が生産されました。1944年から1945年にかけて、様々なアメリカ軍陸上部隊で使用され、その火力を支援に役立てました。

各型

T34 カリオペには、いくつかのバリエーションが存在します。

ロケット発射機T34（カリオペ）：60発の4.5インチM8ロケット弾を搭載。上部に36本、下部に投棄可能な12本×2の砲身を装備しています。M4A1中戦車をベースとした派生型では、下部の砲身は投棄できませんでした。
ロケット発射機T34E1（カリオペ）：T34と同様ですが、下部の投棄可能な砲身が12本から14本に変更されています。
ロケット発射機T34E2（カリオペ）：ロケット弾の口径が4.5インチから7.2インチに大型化されましたが、砲身数は60門のままです。1944年から1945年にかけて実戦投入されました。

登場作品

T34 カリオペは、その特異な外観から、様々なフィクション作品に登場しています。

アニメ
ストライクウィッチーズ：第3期「ROAD to BERLIN」にて、リベリオン軍（アメリカをモデルとした架空国家）の兵器として登場。
ゲーム
R.U.S.E.：アメリカ軍のロケットユニットとして登場。
War Thunder：アメリカ軍のランクII課金戦車「Rocket Launcher T34 Calliope」として登場。プレミアム車両の中では高価な部類に入ります。
バトルフィールド1942 シークレット・ウェポン：アメリカ軍の追加中戦車として登場。
バトルフィールドV：キャンペーン「最後の虎」にて敵戦車として登場。オンラインではアメリカ軍の要請ユニットとして使用可能。
トータル・タンク・シミュレーター：米国のロケット戦車T34 CALLIOPEとして使用可能。

参考文献

Hunting, David. The New Weapons of the World Encyclopedia. New York, New York: Diagram Visual Information Ltd., 2007. ISBN 0-312-36832-1

関連項目

多連装ロケット砲
T40ウイズバン：アメリカ軍の類似車両。
ランドマットレス：イギリスの多砲身3インチロケット弾発射機。カナダ軍が使用。
カチューシャ (兵器)：ソビエト連邦のトラック積載型ロケット砲。
パンツァーヴェルファー：装甲半装軌車に搭載されたネーベルヴェルファーロケット弾発射機。ドイツ国防軍が運用。
MAR-240/MAR-290：第二次世界大戦後の1960年代後期にイスラエルで開発された多連装ロケット砲。カリオペと同じくM4中戦車の車体を使用。

外部リンク

* Short video of T34 Calliope being loaded and firing

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