TOI-677 b

TOI-677 b

TOI-677 bは、地球からおよそ466光年（約143パーセク）離れた場所にあるへびつかい座の恒星TOI-677の周囲を公転している太陽系外惑星の一つです。惑星名の「TOI」は、トランジット系外惑星探索衛星（TESS）の観測によって発見された天体を示す「TESS Objects of Interest」の略称であり、この惑星がどのように見つかったかを示唆しています。

この惑星の発見は、アメリカ航空宇宙局（NASA）が運用するTESS衛星による観測データに基づいています。TESSは、多数の恒星の明るさを継続的に測定し、惑星が主星の手前を通過する際に発生するわずかな減光（トランジット）を検出することで、新たな太陽系外惑星を探し出すことを目的としています。TOI-677 bもこのトランジット法によって発見され、その存在は2019年11月13日に正式に公表されました。

TOI-677 bは、「暖かい」スーパー・ジュピターに分類される巨大ガス惑星です。その物理的な特徴として、質量は木星の約1.236倍、半径は約1.170倍と、太陽系最大の惑星である木星よりもわずかに大きく、かつ質量も上回っています。主星に非常に近いため、表面温度は非常に高く、推定で約1,252ケルビン（摂氏およそ979度、華氏およそ1,794度）に達すると考えられています。通常の「ホット・ジュピター」ほど極端ではないものの、それでも非常に高温な部類に入ります。

惑星の軌道は、主星TOI-677のごく近くに位置しており、公転周期は約11.24日と短いものです。特筆すべきはその軌道の形状で、離心率が0.435と比較的大きな値を示しています。これは、惑星が円軌道ではなく、大きく歪んだ楕円軌道を描いていることを意味します。そのため、主星TOI-677からの距離は公転中に大きく変動し、それに伴って受ける日射量や温度も変化すると推測されます。

主星であるTOI-677自身は、スペクトル分類がF型の主系列星です。視等級は9.8等と、肉眼で観測することはできませんが、天体望遠鏡を用いれば観測可能な明るさです。入力情報によれば、TOI-677は太陽の半径、年齢、温度、金属量といった特性に基づくと、太陽と類似したタイプの主系列星であると考えられています。

TOI-677 bのような巨大ガス惑星が主星のごく近くを公転する軌道を持つことは、惑星系の形成や進化の理論において興味深い研究対象となります。特に、比較的高い離心率を持つ巨大惑星の存在は、過去に他の惑星との重力的な相互作用や、主星の周囲の原始惑星系円盤との相互作用などを経て、現在の軌道へと移動してきた（惑星移動）可能性を示唆しています。TOI-677 bの発見は、多様な太陽系外惑星系の性質を理解する上で貴重なデータを提供しています。

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