Taito Type X

Taito Type Xとは

Taito Type Xは、株式会社タイトーが開発したアーケードゲーム基板です。2004年10月5日に発表され、アーケードゲーム業界に大きな影響を与えました。先代のType-Zeroの後継機であり、WOLFシステム以来となるPC/AT互換機|PC_AT互換機ベースのアーケードゲーム基板として知られています。

開発の背景と特徴

Taito Type Xの開発には、東芝パソコンシステム株式会社（現：株式会社ソード）が協力しており、同社の「FABコントローラシリーズ」がベースとなっています。PC/AT互換機|PC_AT互換機を基に設計されているため、Windows XP Embeddedなどの汎用OSを利用でき、PCの開発インフラをそのまま使用できます。これにより、従来の専用基板と比較して開発費を大幅に削減することが可能になりました。

ビデオボードの柔軟な対応

Type Xの大きな特徴は、ビデオボードを差し替えることで、個々のゲームに最適なスペックを容易に用意できる点です。これにより、ゲーム開発者はタイトルごとに最適なグラフィック性能を選択でき、より高品質なゲーム体験を提供できます。中には、特定の機種専用のビデオボードを使用するゲームも存在します。

普及の経緯

リリース当初は、マザーボードの価格が高く、動作不良も多かったため、アーケード施設の運営者からの評価は高くありませんでした。セガ（後のセガ・インタラクティブ）のNAOMI基板が再び勢いを増したこともあり、Type Xの普及は当初は伸び悩みました。しかし、NAOMI GD-ROM SYSTEMの供給および保守が終了し、Type X2がリリースされると、状況は一変します。サードパーティーからの参入が増加し、ゲームセンターだけでなく、データカードダスなどのトレーディングカードアーケードゲームでも広く利用されるようになりました。

PC/AT互換機|PC_AT互換機の汎用性

PC/AT互換機|PC_AT互換機の汎用性を生かし、一部の筐体ではパーツのアップグレードが行われています。例えば、「電車でGO!!」では、Type X4を採用しつつ、GPUをNVIDIA GeForce GTX 960からNVIDIA GeForce GTX 1080に変更するなど、柔軟な対応が可能です。

スペックとバリエーション

Taito Type Xシリーズには、様々なバリエーションが存在します。以下に主なスペックとバリエーションを紹介します。

Taito Type X:
チップセット: Intel 865G
CPU: Celeron 2.5GHz (Pentium 4対応)
GPU: ATI RADEON 9600SE/9600XT/X700PRO
Taito Type X2:
マザーボード: TEM110 (ソード製)
チップセット: Intel Q965 + ICH8
CPU: Intel Core 2 Duo E6400など
GPU: ATI RADEON X1600Pro/X1300LE, NVIDIA GeForce 7900GS/7600GS/7300GSなど
Taito Type X3:
チップセット: Intel Q67 Express
CPU: Intel Core i3 2130/Core i5 2400/Core i7 2600
GPU: AMD RADEON HD 6770, NVIDIA GeForce GTX 660Ti/GTX 760
RAM: 2GB DDR3 (最大16GB)
Taito Type X4:
CPU: Core i5 4590s
GPU: NVIDIA GeForce GTX 960
RAM: 8GB DDR3
Taito Type X Zero:
チップセット: NVIDIA MCP7A-ION
CPU: Intel Atom 230 (1.6GHz)
GPU: NVIDIA GeForce 9400M

参入サードパーティーと主なタイトル

Taito Type Xシリーズには、数多くのサードパーティーが参入し、様々なジャンルのアーケードゲームが開発されました。以下に代表的なサードパーティーと主なタイトルをいくつか紹介します。

SNK: THE KING OF FIGHTERSシリーズ、サムライスピリッツ閃
アークシステムワークス: BLAZBLUEシリーズ、バトルファンタジア
カプコン: ストリートファイターIV、ウルトラストリートファイターIV
スクウェア・エニックス: LORD of VERMILIONシリーズ、超速変形ジャイロゼッター
* タイトー: ダライアスバースト アナザークロニクル、電車でGO!!

その他にも、数多くの企業がTaito Type Xシリーズ向けのゲームを開発・販売し、アーケードゲーム市場を盛り上げました。

まとめ

Taito Type Xは、PC/AT互換機|PC_AT互換機ベースのアーケードゲーム基板として、開発費の削減や柔軟なスペック対応を実現し、数多くの人気アーケードゲームを支えました。そのバリエーション豊かなラインナップと、サードパーティーの積極的な参入により、アーケードゲームの可能性を大きく広げたと言えるでしょう。

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