US-VISIT
US-VISITプログラムの概要
US-VISIT（Visitor and Immigrant Status Indicator Technology）プログラムは、2004年1月5日にアメリカ合衆国税関・国境警備局によって導入された出入国管理システムです。このシステムの主な目的は、ビザを持つ渡航者の入国時に生体情報を収集し、安全で適切な管理を行うことです。
対象者と審査免除の条件
2015年以降、US-VISITプログラムは、アメリカに入国する全ての外国人に適用されます。ただし、いくつかのカテゴリーに該当する場合は審査が免除されます。具体的には、A-1、A-2、C-3、G-1からG-4、NATOビザ保持者、14歳未満の子供、79歳以上の高齢者、米国国務長官や国土安全保障省が定めた者、または台湾のE-1ビザ保持者や一部のカナダ・メキシコ国民が含まれます。
入国管理の場所
US-VISITに基づく入国管理は、現在115の空港、15の海港、そして50の国境管理地点で行われています。このプログラムは2006年から、全ての陸路入国ポイントでも適用されるようになりました。
入国手続きの流れ
入国時は、旅行者は従来のパスポートの検査を受け、その後、審査官の指示により左手と右手の指紋をスキャンします。このプロセスは指紋スキャナーにより行われ、指紋の情報がシステムに登録されます。次に、デジタルカメラで顔写真が撮影され、その際には眼鏡を外すことが求められます。これらの手続きが完了すると、入国が許可されます。
出国管理システム
2007年5月6日以降、出国時の手続きは一時的に不要となりました。これは、旧出国管理システムの不履行率の問題を受けたためです。今後、米国政府は、新たな出国管理システムを開発し、旅客搭乗手続きと統合する計画を進めています。
旧システムの試験運用
US-VISITプログラムの導入初期には、出国管理として指紋スキャンや顔写真撮影が試験運用されていました。その運用地域にはボルチモア国際空港、シカゴ・オヘア国際空港、アトランタ、ダラスなどが含まれ、またロサンゼルスやマイアミの海港でも行われていました。
この試験運用は、出国する米国ビザ保持者を対象に、2005年9月から開始されました。その後、ビザ免除プログラムに基づく入国者も対象となりました。
出国管理の手続き
出国管理の試験運用では、数つの方法で行われていました。自動端末機を用いる方法や、航空会社のチェックインカウンターでの手続き後にUS-VISIT係員による指の指紋をスキャンし本人確認を行う方法がありました。さらに、モバイル端末機を使ったチェックも行われ、これにより出国時のセキュリティが強化されました。
関連情報
このプログラムは、航空旅行者だけでなく出入国管理全般に影響を与えているため、ESTA（電子渡航認証システム）やI-94（米国出入国カード）、ビザ免除プログラムとも関連性があります。US-VISITは、旅行者の安全を守りつつ、出入国手続きの効率を高めるために重要な役割を果たしています。
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