VideoLAN

VideoLANは、フランスの非営利団体であり、メディアプレーヤーの開発を主な活動としています。元々はエコール・サントラル・パリの学生プロジェクトとしてスタートしましたが、2009年に非営利団体として独立しました。現在では、世界40カ国以上の開発者が参加する大規模なプロジェクトとなっています。代表的なソフトウェアとしては、VLCメディアプレーヤーが挙げられます。

プロジェクト

VLCメディアプレーヤー

VLCメディアプレーヤーは、非常に幅広いメディアコーデックとストリーミングプロトコルに対応したメディアプレーヤー、エンコーダー、ストリーマーです。ネットワーク経由でのストリーミング再生や、ファイル形式の変換などの機能も搭載しています。クロスプラットフォームに対応しており、Windows、macOS、Linuxなど、様々な環境で利用可能です。2022年12月時点でのダウンロード数は約44億回に達しており、世界中で広く利用されています。

VLMC (VideoLAN Movie Creator)

VLMCは、VLCメディアプレーヤーをベースにしたノンリニア動画編集ソフトウェアです。クロスプラットフォームに対応しており、開発は初期段階ながら、動画編集機能を提供しています。

VLS (VideoLAN Server)

VLSは、かつては動画ストリーミング用サーバーとして開発されていましたが、現在はVLCメディアプレーヤーに機能が統合されています。そのため、VLSの使用は推奨されていません。

コーデック

VideoLANでは、以下のデコーダーと暗号解読ライブラリを開発・提供しています。

libdvdcss: DVDのCSS暗号を解除するライブラリ。
x264: MPEG-4 AVC (H.264) デコーダー。
x265: MPEG-H HEVC (H.265) デコーダー。
x262: MPEG-2 デコーダー。
libdca: DTS デコーダー。

また、FFmpegのGitリポジトリのホスティングも行っています。

VLMa (VideoLAN Manager)

VLMaは、地上デジタル放送や衛星放送のチャンネルを管理するためのアプリケーションです。ウェブインターフェースで操作でき、動画と音声のストリーミング機能も備えています。VLMaはデーモン(VLMad)とウェブインターフェース(VLMaw)で構成されています。

VLC media player Skin Editor

VLC media player Skin Editorは、VLCメディアプレーヤーのスキンを簡単に作成できるWYSIWYGエディターです。スキンファイルの知識がないユーザーでも、オリジナルのスキンをデザインできます。

商用利用

VideoLANの技術は、商用製品にも利用されています。例えば、Neuros Technologyやテキサス・インスツルメンツは、次世代セットトップボックスにVideoLANのポートを組み込んでいます。VLCはlibVLCとして製品に採用されており、Androidデバイス向けには、カスタマイズされたVLC for Androidが提供されています。特にAndroid版では、全天球カメラへの対応が特徴です。

ソフトウェアバンドルへの反対

VideoLANの開発者は、公式のダウンロードファイルが改変され、不要なプログラムがバンドルされている状況を懸念しています。しかし、VideoLANには企業の商標濫用に対抗する資金が不足しているという現状があります。

関連情報

Googleビデオ
オーディオプレーヤーの比較
ビデオプレーヤーの比較

外部リンク

* 公式ウェブサイト

VideoLANは、オープンソースの理念に基づき、メディア技術の発展に貢献しています。そのソフトウェアは世界中のユーザーに利用され、メディア再生のデファクトスタンダードとしての地位を確立しています。

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