WORKS -COMPOSER'S BEST-

LINDBERG『WORKS -COMPOSER'S BEST-』：作曲家視点で辿る、バンドの歴史

2000年3月23日、日本のロックバンドLINDBERGの5枚目のベストアルバム『WORKS -COMPOSER'S BEST-』が、テイチクエンタテインメントのインペリアルレコードよりリリースされました。このアルバムは、ボーカリストである渡瀬マキの産休期間中に発売されたという点で、バンドの歴史において重要な位置を占めています。

特徴的なのは、アルバムが3枚のディスクに分かれており、それぞれがLINDBERGの主要作曲家である平川達也、川添智久、小柳昌法の楽曲で構成されている点です。それぞれの作曲家の個性と才能が際立つ選曲となっており、LINDBERGの音楽的多様性を改めて認識させる内容となっています。

DISC 1：TATSUYA WORKS 001 (作曲：平川達也)

このディスクには、初期のヒット曲から、アルバム収録曲まで、平川達也の幅広い作曲センスが感じられる楽曲が収録されています。代表的な楽曲である「今すぐKiss Me」や「Dream On 抱きしめて」といった初期のヒット曲に加え、アルバム『LINDBERG II』収録の「10セントの小宇宙（ゆめ）」なども収録されており、バンド初期からのファンにも嬉しい選曲となっています。さらに、シングル「風」のカップリング曲である「girl」が初めて収録された点も、このディスクの大きな魅力です。ライブ音源「MINE(LIVE)」も収録されており、臨場感あふれる演奏を楽しむことができます。

DISC 2：TOMOHISA WORKS 002 (作曲：川添智久)

川添智久が作曲を手掛けた楽曲は、メロディアスで心に響くものが多く、LINDBERGのバラード路線を支えてきた楽曲群と言えるでしょう。「BELIEVE IN LOVE」や「会いたくて -Lover Soul-」といった代表曲は、多くのリスナーに愛され続けてきました。アルバムには、シングル曲だけでなく、アルバム『LINDBERG V』収録の「風のない春の午後」や『LINDBERG VIII』収録の「Ring My Bell」など、隠れた名曲も多数収録されており、川添智久の多彩な楽曲制作能力を改めて知らしめる内容となっています。ライブ音源として「LOOKING FOR A RAINBOW(LIVE)」も収録されています。

DISC 3：CHERRY WORKS 003 (作曲：小柳昌法)

小柳昌法の作曲した楽曲は、アップテンポで力強いものが多く、LINDBERGのライブパフォーマンスを盛り上げてきた楽曲群と言えるでしょう。このディスクには、「HAPPY BIRTHDAY」や「GAMBAらなくちゃね」といった、ファンに人気の高い楽曲が収録されています。また、アルバム『LINDBERG VI』からの2曲「July Blue Rain」と「TIME」の収録も聴きどころです。ライブ音源として収録されている「夕焼け(LIVE)」は、アルバム『LINDBERG XI』に収録されているものとは異なるバージョンで収録されており、こちらもファンにはたまらない収録内容と言えるでしょう。

共通点：過去のベスト盤との関連性

「今すぐKiss Me」から「BELIEVE IN LOVE」までの楽曲は、1992年にリリースされたベストアルバム『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -little wing-』と同じバージョンで収録されています。このアルバムは、過去のベスト盤との繋がりを感じさせる選曲でもあり、LINDBERGの歴史を振り返る上で重要な作品と言えます。

そして、未来への展望

『WORKS -COMPOSER'S BEST-』は、テイチク在籍時のLINDBERGの最後のリリース作品となりました。翌作からはポリドールに移籍しており、このアルバムは、バンドの転換期を象徴する作品と言えるでしょう。このアルバムを通して、LINDBERGの音楽を改めて堪能し、その後の活動へと繋がる、重要な作品と言えるでしょう。

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