WWFインターナショナル・ヘビー級王座

WWFインターナショナル・ヘビー級王座の歴史

WWFインターナショナル・ヘビー級王座（WWF International Heavyweight Championship）は、WWFが認定し管理していた王座で、プロレスの歴史の中でも特筆すべき存在となっています。そのルーツは1948年頃、アントニオ・ロッカが保持していた王座に端を発すると言われていますが、詳細な記録が残っていないため、その真偽は不明です。

この名高い王座は1982年に復活し、同年8月30日に行われたWWFの定期戦で、藤波辰巳が王者のジノ・ブリットに挑戦し、見事タイトルを奪取しました。この時、実況を務めていた古舘伊知郎は藤波の勝利を讃え、王座を「ロッカ・メモリアル」と名付けたのです。藤波はその後、9月21日に大阪府立体育館で初防衛戦を行い、マスクド・スーパースターからタイトルを守りました。

その後、藤波と長州力との抗争が始まります。1983年4月3日、長州は蔵前国技館で藤波を破り、王座を奪取。この試合は後にプロレス大賞のベストバウトにも選ばれ、両者の抗争は名勝負として名を馳せました。長州の戴冠後、彼と藤波は計6度のタイトルマッチを行い、その対戦はプロレス界での伝説となりました。

一方で「インターナショナル」という名に反し、この王座は日本人選手同士による争いが続いていました。しかし1984年に長州が新日本プロレスを離脱してからは、外国人選手による挑戦も行われるようになります。当時のWWFはビンス・マクマホン・ジュニアの指導の下、全米進出を果たしており、その影響を受けたこの王座に対して挑戦者として名乗りを上げたカウボーイ・ボブ・オートンは、「このベルトはアメリカに持ち帰ればすぐに通用するタイトルです」と自信を見せました。藤波は長州やキラー・カーン、カネック、オートン、アドリアン・アドニス、ジミー・スヌーカ、スーパー・ストロング・マシーンなどと防衛戦を行い、各選手との激闘を繰り広げました。

1985年7月19日、蔵前国技館でのスーパー・ストロング・マシーンとの試合において、両者反則負けの裁定が下されたことに対し、藤波は王座を返上します。そして、同年10月31日、WWFと新日本プロレスの業務提携が解消されたことで、WWFインターナショナル・ヘビー級王座は完全に封印されることとなりました。

その後1991年にはSWSがWWFとの提携を結び、封印されていた王座を復活させる計画が持ち上がりましたが、最終的には実現することはありませんでした。WWFインターナショナル・ヘビー級王座の歴史は、時に波乱に満ちたものであり、様々な選手の技と情熱が交錯した舞台として、今なお多くのファンの心に残っています。

ルール

この王座の防衛戦においては、フォール、ギブアップ、KO勝ち、リングアウト、フェンスアウト、反則勝ちなど、多様な勝利条件が設定されていました。こうしたルールは、プロレスリングの多彩さを象徴するものであり、選手たちの技術や戦略が試される場となっていました。

最後に

WWFインターナショナル・ヘビー級王座は、プロレス界における重みのあるタイトルであり、その歴史は日本のプロレス文化にも大きな影響を与えました。今後もその伝統を語り継ぎ、新たな歴史を刻んでいくことでしょう。

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