X-アプリ

x-アプリ：ソニーのメディア管理・転送ソフトウェア

x-アプリ（エックスアプリ、x-APPLICATION）は、ソニーが開発・提供していたWindows用メディアプレーヤーソフトウェアです。主にウォークマンなどのポータブルオーディオプレーヤー向けの楽曲転送・管理ソフトウェアとして利用されていました。このソフトウェアは、ソニーが提供していた体験型アプリケーションシリーズである「x-アプリシリーズ」の一つとして位置づけられています。

概要

x-アプリは、2009年10月7日に、従来のSonicStageに代わる新しいウォークマン用転送ソフトとして登場しました。SonicStage Vを原型としており、動画や画像、ポッドキャストの取り扱い機能や12音解析機能の追加など、大幅な機能向上が図られています。

従来のSonicStage Vは、音楽転送機能をメインとしていましたが、x-アプリでは動画や画像、ポッドキャストの転送機能も統合し、内蔵アプリケーションとの連携や、おまかせチャンネルのプレイリスト作成機能など、利便性が大きく向上しています。内部的にはSonicStage Vの名残も残っていますが、プロセス名は「x-APPLICATION.exe」として独立しています。

既にSonicStage Vがインストールされている環境では、自動的にx-アプリに更新されますが、SonicStage CP以前のバージョンは別ソフトとして共存できます。転送可能なデバイスは、ウォークマンの他、auのLISMO、メモリースティック対応携帯電話などがあります。

SonicStage Vとの違い

SonicStage V 5.2（SonicStageシリーズ最終バージョン）からの主な変更点は以下の通りです。

Windows 7以降のOSへの正式対応
2010年以降発売のウォークマンへの正式対応
動画、画像、ポッドキャストの管理・転送機能の統合
12音解析に基づくおまかせチャンネル機能
12音解析に基づくノンストップMIX再生（Ver.3.0以降）
イコライザー機能（Ver.3.0以降）
歌詞ピタ、ちょい聴きmora機能（対応機種のみ、ちょい聴きmoraはサービス終了）
各種アプリケーションの搭載
ソフトウェア及び接続機器の自動アップデート確認機能
ジャケット写真の自動取得機能
音楽配信サイトmoraの利用

SonicStage CP以来の再搭載となる機能は以下の通りです。

複数のプレイリストの同時転送
楽曲リリース情報の月日設定
MDウォークマン最終機種MZ-RH1のサポート（Ver.2.0以降）

機能

音楽再生時

DSEE (Digital Sound Enhancement Engine): 非可逆圧縮で劣化した音源をオリジナルに近い音質に補正する機能。ただし、HE-AACには効果がありません。
イコライザー: プリセットされた20種類に加え、ユーザーがカスタマイズすることも可能です。（Ver.3.0以降）
ノンストップMIX: 12音解析機能を利用して、同じ曲調の楽曲をノンストップで再生します。サビのみの再生やクロスフェードも可能です。（Ver.3.0以降）
ダイナミックプレイリスト: アーティスト、ジャンル、リリース年などの条件に基づいて、プレイリストを自動作成する機能です。
おまかせチャンネル: 12音解析を用いて、気分や時間帯、季節に合わせたプレイリストを自動作成します。
ビットパーフェクト再生: ASIO/WASAPIを利用して、高音質での再生を実現します。（Ver.6.0以降）

ウォークマン転送時

おまかせチャンネルのプレイリスト転送: x-アプリで作成したおまかせチャンネルのプレイリストをウォークマンに転送し、対応機種以外でもおまかせチャンネルを利用可能にします。
歌詞ピタ: 歌詞データと楽曲を同期させ、自動スクロール表示するサービス。専用アプリのダウンロードが必要です。
ちょい聴きmora: moraが提供する試聴曲パックをウォークマンに転送し、新曲パックと自動で入れ替えるサービス。試聴は各楽曲3回まで可能。（Ver.2.0から3.xまで、サービス終了）
動画ファイル転送時のファイル変換: 動画ファイルをウォークマンで再生可能な形式に自動変換します。画質は複数種類から選択可能です。
ダイレクトエンコーディングで録音したファイルのデータ取得: ウォークマンにダイレクトエンコーディングした楽曲のタイトルをオンラインCDDBで自動取得します。

対応フォーマット

最新版x-アプリ（6.0）は、以下のオーディオフォーマットに対応しています。

MP3
WAV
AAC
FLAC
AIFF
DSD

CDからの取り込み時にx-アプリでエンコード可能なフォーマットは、太字で示しています。

DRM方式はOpenMGのみ対応しており、他のDRM方式で暗号化されたファイルは取り込めません。OpenMG形式のファイルは、SonicStageでの変換が必要です。

対応OS

x-アプリは以下のバージョンのWindowsに対応しています。

Windows 10 (32bit/64bit) - Ver. 6.0.02以降
Windows 8.1 (32bit/64bit) - Ver. 5.1以降
Windows 8 (32bit/64bit) - Ver. 5.0以降
Windows 7 (32bit/64bit)
Windows Vista (32bit/64bit)
Windows XP (32bitのみ) - Ver. 5.1まで

自作PCや仮想環境、日本語版以外のWindowsはサポート対象外です。

導入方法

x-アプリは、公式サイトまたはウォークマンのフラッシュメモリに収録されたインストーラーから導入できます。以前のSonicStageとは異なり、当初から無償公開されています。

Media Goとの統合

2013年以降、ウォークマンの標準転送ソフトはMedia Goに一本化されました。ハイレゾ音源対応などが理由です。x-アプリとMedia Goが両方インストールされている場合、ライブラリ移行が可能です。Media Goは幅広い機器に対応する一方、x-アプリはウォークマンに特化しており、音楽CD作成や独自機能が利用できます。

2017年にMedia Goに統合され、「Music Center for PC」がリリースされ、x-アプリの配布は終了しました。

x-アプリシリーズ

x-アプリは、ウォークマン用転送ソフトだけでなく、さまざまなユーザー体験型アプリケーションの総称でもあります。以下のようなアプリがシリーズに含まれています。

スマートフォン・WEBアプリ: x-FLOORSCOPY、x-COROCORO INFO、x-JIKEN
PCアプリ: x-Scrap Book、x-Time Line、x-Chronology、x-Radar
ブラビア用TVアプリ: x-Message Board、x-Tuning
その他アプリ: x-おまかせ・まる録、x-DJ、x-Pict Story

転送・接続対応機器

x-アプリは、主に2006年以降発売のウォークマンに対応しています。詳細は対応機種一覧をご参照ください。

派生ソフトウェア

x-アプリの派生として、auの「LISMO」サービス向けに「x-アプリ for LISMO」が提供されていました。2013年にサービス終了しています。

その他のウォークマン用転送ソフトウェア

ドラッグ＆ドロップ転送に対応したウォークマン向けには、「Content Transfer」、「Media Go」、「Music Center for PC」といったソフトウェアが提供されています。

各バージョンの詳細

各バージョンの詳細な変更点については、原文をご参照ください。各バージョンで機能追加や対応機種の変更、バグ修正などが実施されています。

脚注

[外部リンク] は原文参照

関連項目

SonicStage - 先代ソフト
CONNECT Player
MagicGate
OpenMG
ATRAC Audio Device
メモリースティックビデオ
LISMO Port
Media Go
Music Center for PC
* mora

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