Yak-18 (航空機)

Yak-18 練習機の概要

Yak-18は、ソビエト連邦のヤコヴレフ設計局によって開発された二座式の練習機であり、NATOのコードネームは「マックス」です。この機体は、1946年に初飛行し、翌年には生産が承認されました。元々はUT-2MVを基にしており、様々な試験を経て、ワルシャワ条約機構の標準的な練習機へと成長しました。

冷戦時代には、西側諸国への販売も行われており、特に曲技飛行の訓練機として高く評価されました。また、朝鮮戦争では、北朝鮮の軍によって夜間攻撃機としても使用されました。この機体は、1949年から1954年にかけて、国際航空連盟によって多くの世界記録を樹立した民間型のYak-18も展開しています。

機体の設計

最初は尾輪式の降着装置を採用していましたが、航空技術の進化に伴い、後に前輪式に変更されました。また、曲技飛行専用の単座型の開発も行われました。最終型のYak-18Tは、コックピットの拡大に伴い、複列複座の4座となり、ほとんど異なる設計になっています。

中国では、Yak-18がCJ-5（初教五型）という名前でライセンス生産され、その改良型であるCJ-6（初教六型）も存在します。CJ-6は、Yak-18の基本設計を全金属製とし、M-11エンジンを新型のものに換装した機体です。

製造と流通

Yak-18は、2001年までの長期にわたり製造が続けられ、ライセンス生産を含むと、総製造数は8,434機に達しました。また、Yak-18を基にした衍生機体として、Yak-50やYak-52なども展開されています。

派生型一覧

以下に、Yak-18の主要な派生型を示します：

• - Yak-18: 最初の量産型。エンジンは160馬力のシュヴェツオフ M-11FRを搭載。
• - Yak-18U: 前輪式降着装置採用。1954年に初飛行し、少数が量産。
• - Yak-18A: 1957年に試験された型で、260馬力のエンジンを搭載。1967年に生産終了。
• - Yak-18P: 曲技飛行用の単座型で、数々の国際大会で優秀な成績を収める。
• - Yak-18PM: Yak-18Pの改良型で、コックピットの後ろ移動などの設計変更が行われた。
• - Yak-18PS: Yak-18PMと同様の機体ですが、尾輪式の降着装置を採用。1969年に初飛行。
• - Yak-18T: 4座の軽旅客輸送機型で、練習機、郵便輸送機、医療機器輸送機などにも使用される。

仕様（Yak-18A）

• - 乗員: 2名
• - 全長: 8.35 m
• - 全幅: 10.60 m
• - 全高: 3.35 m
• - 翼面積: 17.8 m²
• - 空虚重量: 1,025 kg
• - 最大離陸重量: 1,320 kg
• - エンジン: イフチェンコ AI-14R 星型エンジン（260 hp）× 1
• - 最大速度: 300 km/h
• - 航続距離: 700 km
• - 実用上昇限度: 5,060 m

このように、Yak-18はその設計の柔軟性と堅牢性により、長きにわたって多くの航空機ファンやパイロットに愛されてきた機体です。

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