アニメショップ

アニメショップとは、主にアニメーション作品、およびそこから展開された関連商品全般を専門に取り扱う小売店舗です。単にアニメ関連グッズを販売するだけでなく、作品や声優に関連したイベントを開催するなど、多様な機能を持つ場所となっています。

主な取り扱い商品

店舗の規模や系列によって扱う商品は異なりますが、以下のような幅広いジャンルのアイテムが見られます。一般的な書店やレコード店では手に入りにくい限定特典が付く商品も多く存在します。大きく分けて、フィギュアやキャラクターグッズが中心の「ホビーショップ型」と、書籍や映像ソフトが中心の「書店型」の店舗があります。

- 書籍・雑誌: 漫画雑誌、漫画単行本、アニメ関連の情報誌、小説、ライトノベル、業界関係のムック本などが並びます。
- 映像・音楽ソフト: アニメ作品のDVD・Blu-rayディスク、ドラマCD、アニメやゲーム作品の主題歌・サウンドトラック、声優の音楽CDなどがあります。
- ゲームソフト: コンピュータゲームソフトを取り扱いますが、ゲーム機本体や中古ソフト、攻略本などは扱わないことが多いです。
- キャラクターグッズ: 作品に登場するキャラクターのイラストなどがデザインされた商品全般を指します。ファンアイテムとも呼ばれます。具体的な例としては、文房具（下敷き、メモ帳）、携帯ストラップ、ラミネートカード、ピンバッジ、マグカップ、トレーディングカード、ぬいぐるみ、ポスター、カレンダー、Tシャツ、抱き枕、アクリルキーホルダー、スタンドフィギュアなど多岐にわたります。
- ホビー: フィギュアやカプセルトイ、食玩などが人気です。
- イベント・制作用具: 大規模な同人誌即売会やイベントのパンフレット、関連イベントのチケット、漫画制作用の原稿用紙・ペン・インクなどの画材も扱われることがあります。
- コスプレ用品: コスプレ衣装や関連する小道具なども見られます。
- 応援グッズ: 声優イベントなどで使用されるケミカルライトやペンライトなども取り扱いが増えています。
- 同人誌・同人ゲーム: 同人サークルからの委託販売形式で置かれている店舗も多く、これを主とする店舗は同人ショップとしての側面も持ちます。
- その他: テレホンカードや図書カードなどが、ポイント交換の景品として提供されることもあります。

商品販売以外の業務・機能

アニメショップは単に商品を売るだけでなく、様々な活動を通じてアニメ文化を盛り上げています。

- 情報発信: 独自のフリーペーパーや情報誌を発行したり、作品版権元やイベント主催者からのチラシを配布したりすることで、最新情報を提供します。
- イベント開催: 作品関連のサイン会やトークショー、声優のイベントなどを店舗内で開催したり、これらのイベントチケットを取り扱ったりします。大型店舗ではイベント専用スペースを備えることもあります。
- コミュニティ形成: 店舗によっては、ファン同士が交流できる「交流ノート」を設置しています。

主な店舗

多くの店舗が実店舗に加え、通信販売も手掛けています。

現存する主な店舗

全国に広く展開する「アニメイト」は、最新作品を全般的に扱い、特に女性向け商品に強みがあります。「ゲーマーズ」はアニメイト系列で男性向け商品に強く、ブロッコリー関連商品が多い特徴があります。「らしんばん」や「まんだらけ」、「K-BOOKS」は中古品を中心に取り扱っています。「メロンブックス」や「とらのあな」は同人誌に強みを持つ一方、一般のアニメグッズも充実しています。「ソフマップ」や「ヨドバシカメラ」といった家電量販店でも、ホビー・アニメ関連フロアを設けて専門店並みの品揃えを持つ店舗があります。「コスパ」はキャラクターアパレルやコスプレ用品が中心です。

かつて存在した主な店舗

過去には、東映直営の「アニメポリス・ペロ」や「アニメプラザミーくん」、東京ムービー運営の「アニメハウス」、「あいどる」、「アニメック」、「マルゲ屋」など、業界の黎明期から様々な形態のアニメショップが存在し、それぞれがアニメ・ゲーム文化の一端を担っていました。これらの多くは時代の変化や経営状況により惜しまれつつ閉店しています。

アニメショップは、ファンの「好き」を形にする多様な商品を提供し、情報発信やイベント開催を通じて交流の場を創出する、アニメ・マンガ・ゲーム文化にとって重要な存在と言えるでしょう。

もう一度検索