インヴァソール

インヴァソールについて

インヴァソール（Invasor）は、アルゼンチンの競走馬で、特にウルグアイと北米での活躍で知られています。その馬名はスペイン語で「侵略者」を意味し、彼の競走人生にふさわしい名です。

出生と成長

インヴァソールは2002年、アルゼンチンのクラウザン牧場（後にサンタイネス牧場となる）で誕生しました。父はブラッシンググルーム産駒のキャンディストライプス、母はアルゼンチン産の牝馬ケンドムです。彼の見た目は鹿毛で、額には特徴的な星模様がありました。

2歳の時、インヴァソールはアルゼンチンに訪れていたパブロ・エルナンデスの兄弟に注目され、25000ドルから20000ドルに値下げされて購入されました。その後、ウルグアイのマロナス競馬場に送り込まれ、アニバル・サンマルティン調教師の下で調教が始まりました。

ウルグアイでの躍進

インヴァソールの競走デビューは、2005年の2月に行われたメイドン（未勝利戦）で、リーディングジョッキーであるグスタボ・デュアルテを騎手に迎え、見事に初勝利を挙げました。この貴重な勝利の後、デュアルテはその才能をさらに引き出し、インヴァソールとのコンビで次々と勝ち星を重ねました。

彼は翌シーズンに入ると、エンサーヨ賞から始動し、ウルグアイの重要なレースで数々の優勝を果たしました。宇ポージャ・デ・ポトリーリョス大賞では5馬身3/4差、宇ジョッキークラブ大賞では3馬身半差、さらに宇ナシオナル大賞（ウルグアイダービー）でも6馬身半差で勝利し、無敗で三冠を達成しました。これは、11年ぶりの快挙であり、21頭目の三冠馬となりました。

アメリカ合衆国での成功

インヴァソールはその後、140万ドルでアメリカのシャドウェルステーブルにトレードされ、北米で新たな挑戦を始めました。最初のレースとなる2006年のUAEダービーでは4着でしたが、その後北アメリカでの競走に専念し、再び連勝を重ねていきました。

彼は、ピムリコスペシャルハンデキャップ、サバーバンハンデキャップ、ホイットニーハンデキャップなどの主要レースに勝ち、特にブリーダーズカップ・クラシックでは単勝1番人気のバーナーディニを抑えて優勝しました。このパフォーマンスにより、2006年のワールド・サラブレッド・レースホース・ランキングで129ポンドを記録し、世界1位に選ばれました。また、同年のエクリプス賞年度代表馬にも選出され、南米出身馬がこの名誉を得たのは初めてのことでした。

引退と種牡馬生活

2007年、インヴァソールはドンハンデキャップで再始動し、続けてドバイワールドカップでも勝利を収めましたが、後に調教中に右後脚首に故障を負い、引退が決まりました。彼のアメリカにおける成績は、7戦6勝という輝かしいものでした。

引退後はシャドウェルファームで種牡馬として活躍しましたが、産駒の成績は期待を下回り、種付け料は年々減少していきました。2015年にはウルグアイの牧場でリース供用され、少数のステークスウィナーを輩出するものの大きな成功には至りませんでした。

総括

インヴァソールは、ウルグアイでの無敵の競走と、アメリカでの華々しい業績により、競馬界に名を刻んだ名馬です。彼の血統や才能は、競走馬としての地位を確立し、多くのファンに愛され続けています。

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