カールスジュニア

カールスジュニア:アメリカ発祥のハンバーガーチェーン



カールスジュニア(Carl's Jr.)は、アメリカ合衆国を代表するファストフードチェーンの一つです。日本では「カールスジュニア」と表記されることが多いですが、「カールス・ジュニア」や「カールズ・ジュニア」など、文献によって表記が異なる場合があります。このチェーンは、"Eat like you mean it"というスローガンを掲げています。

創業と発展



1941年、カール・カーチャーと妻マーガレットが、自家用車を担保に311ドルを借りて、ロサンゼルスでホットドッグの販売カートを始めたのが始まりです。1945年には、カリフォルニア州アナハイムで「カールス・ドライブインバーベキュー」というレストランを開業し、翌年にはハンバーグの販売も開始しました。マクドナルドの成功に触発されたカール・カーチャーは、1956年にアナハイムに小規模なハンバーガー店「カールスジュニア」をオープンさせました。その後、店舗数を増やし、10年間で南カリフォルニアに24店舗を展開しました。

1966年には、ノースカロライナで法人化し、カール・カーチャー・エンタープライジズ(CKE)を設立しました。1968年からは、従来よりも大型の店舗を展開し、ハンバーガー、ホットドッグ、フライドポテト、モルトシェイクなどを主なメニューとしていました。1975年には、カリフォルニアの店舗数が100を超えました。

全米展開と苦境、そして復活



CKEは1981年株式を公開し、全米へのフランチャイズ展開を開始しました。テキサコとのブランド提携により、ガソリンスタンドに併設される店舗も多く見られました。しかし、1980年代半ばには、新規フランチャイズの失敗や、カール・カーチャー自身のインサイダー取引疑惑による訴訟などの苦境に立たされます。この危機を救ったのが、顧問弁護士であったアンドルー・パズダーです。彼は、メニューの刷新や、ファッションモデルのパドマ・ラクシュミを起用した扇情的な広告戦略によって、18歳から34歳くらいの男性客という新たな市場を開拓し、チェーンを立て直しました。

1997年には、CKEレストランズがハーディーズを買収し、1999年からはハーディーズにもカールスジュニアの星マークのロゴが使用されるようになりました。2004年時点では、店舗数は3400を超え、アメリカ国内では、サブウェイマクドナルドバーガーキング、ウェンディーズに次ぐ5番目の店舗数を誇っています。

ハーディーズとの関係



CKEレストランズは、ミシシッピ川を境に、西側をカールスジュニア、東側をハーディーズとして運営しており、メニューやロゴはほぼ共通しています。

海外展開



カールスジュニアはアメリカ以外にも、世界37カ国におよそ700店舗を展開しています。メキシコを始め、エクアドルカナダインドネシア、パナマ、タイ、グアテマラインド、米国領サモア、バハマコロンビアホンジュラスドミニカ共和国ブラジルプエルトリコマレーシアデンマークコスタリカニュージーランドオーストラリアシンガポールロシアベトナム、トルコ、中華人民共和国、カンボジア、そして日本など、様々な国で愛されています。

日本での展開



日本へは1989年にフレンドリーとの提携により大阪に進出し、最大6店舗を構えましたが、数年後に撤退しました。2014年12月、ミツウロコグループホールディングスが日本国内の運営権を獲得し、2016年3月には秋葉原に1号店、同年10月には平塚市のららぽーと湘南平塚に2号店をオープンしました。2017年4月には自由が丘に3号店をオープンし、その後も店舗数を増やしました。

2019年からは、ミツウロコグループホールディングスの子会社であるカールスジュニアジャパン株式会社が運営を行っています。2019年7月には7号店となる調布レストランがオープンし、2020年代には麻布十番お台場にも店舗を構えました。しかし、2024年6月には、ハンバーグ店「びっくりドンキー」を展開するアレフがミツウロコから事業を譲り受け、同年7月から運営を開始することが発表されました。

カールスジュニアの特徴



  • - 大胆な広告戦略: セクシーなモデルを起用した広告は、当時、子供向けだったハンバーガーチェーンの広告とは一線を画し、男性客の心をつかみました。
  • - 豊富なメニュー: ハンバーガーだけでなく、ホットドッグやフライドポテト、モルトシェイクなど、バラエティ豊かなメニューが楽しめます。
  • - グローバル展開: 世界各地で展開されており、それぞれの地域に合わせたメニューやサービスも提供しています。

カールスジュニアは、その革新的な発想と大胆な戦略によって、世界的なファストフードチェーンとしての地位を確立しました。今後もその動向から目が離せません。


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