ガソリン値下げ隊

ガソリン値下げ隊とは

ガソリン値下げ隊（がそりんねさげたい）は、2008年1月15日に日本で結成された民主党の国会議員グループであり、主にガソリン税の暫定税率の廃止を目指した活動を展開しました。隊の構成は全6班で、中堅の国対副委員長6名と当選1～2回の衆院議員52名によって構成されました。

隊のリーダーとメンバー

隊長には川内博史が就任し、他の主要メンバーには大島敦、菊田真紀子、郡和子、太田和美、柚木道義、鈴木克昌などが名を連ねました。参議院からも藤末健三、友近聡朗、中谷智司、平山幸司、轟木利治らが参加し、隊の活動に関与しました。

活動の開始と内容

ガソリン値下げ隊は結成初日に記者会見を行い、ガソリン税の暫定税率廃止を実現するための取り組みを開始しました。党内での議論の中で、与党に対する強い抵抗を示す必要があると認識し、「この国会はガソリン国会」と宣言しました。具体的な活動としては、街頭でのキャンペーンを行い、ガソリン価格を約25円引き下げることを訴えました。

特に東京都や神奈川県を中心に街頭アンケートやビラ配布を行い、十分な意識喚起を図りました。また、ガソリン価格引き下げに関するビラを自動車のフロントガラスに張るよう呼びかけましたが、法的な問題が指摘されたため、すぐに回収される事態となりました。

国会での活動

第169回国会では、プラカードを掲げて意見を主張したり、議長室を封鎖するなどの抗議活動も行いました。特に、民主党の議員約50名が衆議院運営委員長を監禁するという大胆な行動をとり、注目を集めました。

このような過激な手法により、ガソリン値下げ隊は政府の政策に強い影響を与える存在となりました。さらに、2008年の大阪府知事選挙では熊谷貞俊の応援に駆けつけるなど、広範囲な活動を展開しました。

2009年の政権獲得後

2009年の衆議院選挙では、民主党が圧勝し、政権を獲得しました。この際、ガソリン税の暫定税率廃止は重要な公約とされました。しかし、政権獲得後、財政課題が浮上し、税率の引き下げが難航する状況に直面しました。具体的には、暫定税率を廃止しつつ、同時に本則税率を引き上げるという結果になり、国民の実質的な税負担は維持されることとなりました。

この決定は「マニフェスト違反」として厳しい批判を受けました。そして、2010年5月には、民主党は正式にガソリン税の暫定税率廃止をマニフェストから削除する事態に至ります。

ガソリン値下げ隊の解散

2011年2月には、川内博史が隊の解散を宣言しましたが、自身は依然として隊長として活動に関心を寄せていると述べました。ガソリンの価格高騰に応じる形で、政府は揮発油税の引き下げに関する特別措置を取る方針を打ち出しましたが、東日本大震災の影響で復興資金の確保が困難であることからこの計画は凍結されました。

2020年までの間には、選挙を経てメンバーの一部が落選し、政界から去ることとなります。ガソリン値下げ隊の活動はその後も影響を与えましたが、メンバーの変遷が続き、組織としての力を失っていきました。

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