コソボ

コソボ共和国

コソボ共和国（Republika e Kosovës）は、バルカン半島の中央に位置し、北東にセルビア、南東に北マケドニア、南西にアルバニア、北西にモンテネグロに隣接しています。アルバニア語では「Republika e Kosovës」、セルビア語では「Република Косово」と表記され、略称はKOSです。コソボは2008年2月17日に独立を宣言し、現在では113の国から正式に承認されていますが、国際連合には未加盟の状態です。

概要

コソボの面積は約10,887平方キロメートルで、人口は約180万人です。国民の約90%がアルバニア人ですが、少数のセルビア人も居住しています。特に首都プリシュティナには多くの人口が集中しているため、国の経済や文化の中心となっています。

地名の由来

「コソボ」という名は、ブルガリア語の「コス」（クロウタドリ）に由来しています。一方、アルバニア語では「Kosova」、セルビア語では「Косово」と表記されます。また、この地域は「コソボとメトヒヤ」と呼ばれることもあり、メトヒヤは特にセルビア系住民にとって重要な呼称となっています。

歴史

コソボの歴史は、古代トラキア人やイリュリア人が住んでいた頃にさかのぼります。ブルガリア帝国が成立すると、ブルガール人がこの地を支配しました。その後、セルビア王国がコソボを中心に成立し、セルビア人の土地として特別な意義を持つようになりますが、オスマン帝国の進出によってその支配が変わります。

19世紀に入ると、アルバニア人の民族意識が高まり、自治を求める動きが強まります。ユーゴスラビアが成立した後、コソボはセルビアの自治州となり、1946年にはコソボ・メトヒヤ自治州として再編成されました。その後、1981年にはアルバニア人の学生による抗議運動が起こり、独立を求める気運が高まります。

独立宣言と国際情勢

コソボは1999年の紛争を経て、国連の管理下に入ります。2008年に独立を宣言すると、すぐにアメリカや多数の国がその独立を承認しますが、セルビアやロシア、中国などは依然として承認しない立場を取っています。コソボの独立問題は国際的にも議論が続いており、特にEUとの関係や、セルビアとの交渉が注目されています。

経済

コソボの経済は主に農業に依拠しており、大麦や小麦、トウモロコシが生産されています。また鉱物資源が豊富で、特にトレプチャの亜鉛鉱山は注目されています。ユーロが通貨として使用されていますが、経済は依然として回復の途上で、失業率は高く、貧困層が多いのが現実です。

政治

コソボの政治体制は、国連安保理決議1244に基づく国際的な管理の下で運営されていますが、2008年の独立以降は徐々に自治が進んでいます。議会は120名定数で、コソボ独自の軍事力も持っています。

文化

コソボの文化は多様で、アルバニア人が主にイスラム教を信仰している一方、セルビア人はセルビア正教徒が多く、宗教的な多様性が見られます。スポーツでは特にサッカーが人気で、コソボ[[サッカー連盟]]が設立されています。

コソボはその歴史、文化、経済、政治的背景から、近年のバルカン半島における重要な国の一つとして注目されています。

もう一度検索