コマンドウルフ

コマンドウルフ (COMMAND WOLF)

コマンドウルフは、株式会社タカラトミーが展開する『ゾイド』シリーズに登場する、オオカミ型メカの兵器。

概要

1987年に第一期シリーズで登場し、第二期シリーズでもアニメ、漫画、ジオラマストーリーなど、様々なメディアで活躍しました。

設定解説

『ゾイドバトルストーリー』におけるコマンドウルフ

中央大陸戦争において、サーベルタイガー率いるゼネバス帝国軍の高速ゾイド部隊に対抗するため、ヘリック共和国が開発した高速ゾイドです。「山岳戦の狼」という異名を持ちます。

格闘戦にも対応していますが、高い追跡・分析能力を持ち、わずかな手がかりから敵を追い詰め、単独での情報収集任務にも活用されます。操縦時のパイロットへの負担を軽減するため、当時としては最新式のコントロールディスプレイが搭載されています。

同時期に開発されたシールドライガーと比較すると、パワーは劣りますが、小回りが利き、扱いやすい操縦性からパイロットからの信頼は厚く、シールドライガーの支援機として活躍しました。西方大陸戦争緒戦においては、帝国軍に対抗できる同クラスのゾイドが少ないため、高速部隊の要として運用されました。

武装・装備

武装・装備には、中央大陸戦争時代（旧）と第二次大陸間戦争時代（新）で呼称が異なるものがあります。

2連装ビーム砲座（旧） / 50mm対ゾイド2連装ビーム砲座（新）：背部に装備されるビーム砲座で、単独飛行による偵察任務や、上空からの支援攻撃が可能です。
煙幕噴射口（旧） / スモークディスチャージャー（新）：腰部に装備され、煙幕を発射して敵を攪乱します。加速用ブースターとしても機能します。
電磁牙 （旧） / エレクトロンバイトファング（新）：口部に存在する電磁波の牙で、接近戦で高い破壊力を発揮し、敵の弱点を攻撃します。
ストライククロー（新）：四肢の爪部で、電磁爪として攻撃可能です。

オオカミ型ゾイド

コマンドウルフのベースとなったのは、中央大陸の風族が古くから用いてきたオオカミ型ゾイドです。狩猟用として家畜化され、人為的な選別を経て、人間の命令を理解する高い知能を獲得しました。部族間紛争時代には、運搬・交通・防衛・競技と幅広い用途に用いられ、ZAC1960年ごろには、体のほとんどを人工部品に置き換えたメカ生体にも改造されました。ZAC2042年には、コマンドウルフがロールアウトしています。第二次大陸間戦争においても、ライガーやタイガー型ゾイドを上回る生存数から重宝されましたが、中央大陸種では新型ボディを開発してもライトニングサイクスに対抗できないという課題が残りました。

その後、共和国軍は西方大陸種のより巨大なオオカミ型野生体ゾイドを発見し、ライガーゼロに匹敵するパワーを持つケーニッヒウルフを開発しました。

キット

トミー版

Hiパワーユニットを動力とするゼンマイ駆動で、四足歩行ギミックを有します。手動ギミックとして、頭部キャノピーの開閉、下顎の開閉、頭部・首・尻尾の上下動、背部砲塔の旋回・分離が可能です。特殊ギミックとして、首を下げると歩行速度が低下する変速機構があります。

タカラトミーの内部資料によると、第一期、第二期の商品で988,000台の販売数でした。

HMM（ハイエンド・マスターモデル）シリーズ

コトブキヤから発売されているシリーズ。可動、組み立てやすさ、コレクション性、アニメの再現性、リアリティに重点が置かれています。背部の50mm対ゾイド2連装ビーム砲座にキャノピーカバーが追加され、アニメ劇中のストライククローも再現可能です。一般兵士のフィギュアが2体付属します。

バリエーション

コマンドウルフには、様々なバリエーション機が存在します。

コマンドウルフ NEW：共和国MK-2部隊配備に合わせてカラーリングが変更された機体。
コマンドウルフ アーバイン仕様：アーバインが回収し独自に改修した機体。ロングレンジライフルを装備。
レッドコマンドウルフ：ガイロス帝国が鹵獲したコマンドウルフを自軍戦力として組み込んだ機体。
ブルーコマンドウルフ：共和国超高速戦闘実験部隊「セブン・トゥ・スリー」に配備された機体。
コマンドウルフAU：ロングレンジキャノンとブースターからなるアタックユニットを追加装備した機体。
コマンドウルフAC（アタックカスタム）：250mmロングレンジキャノンを装備して火力強化した機体。
コマンドウルフBlS：アニメ『ゾイド新世紀スラッシュゼロ』に登場するバラッド・ハンターの乗機。
コマンドストライカー：コマンドウルフACにブロックスゾイド・レオストライカーがユニゾンした形態。
コマンドウルフLC（ロングレンジカスタム）：ロングレンジライフルを搭載させたカスタム機。
コマンドウルフLCゼネバス帝国軍仕様：ゼネバス帝国がシールドライガー部隊への対抗措置として採用した機体。

その他、多数のバリエーション機が存在します。

作中での活躍

『ゾイドバトルストーリー』、『ゾイド -ZOIDS-』、『ゾイド新世紀スラッシュゼロ』、『ゾイドフューザーズ』、『ゾイドジェネシス』など、様々な作品に登場し、共和国軍の主力ゾイドとして活躍しました。ゲーム作品にも多数登場しています。

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