シネシティザート

シネシティザート（CINECITY ZART）

シネシティザートは、静岡県静岡市葵区にある複合商業施設「新静岡セノバ」の9階に位置するシネマコンプレックスです。10のスクリーンを有し、最新のデジタル上映システムに加え、一部スクリーンでは35mmフィルム上映や3D上映にも対応しています。映画鑑賞だけでなく、ロビーからの美しい眺望や様々なイベントも楽しめる、地域に根ざした映画館です。

特色

シネシティザートの名称は、かつて七間町にあった静岡オリオン座の「座（ZA）」と、英語で「芸術」を意味する「アート（ART）」を組み合わせた造語です。この名前には、映画という芸術への敬意と、地域に愛される映画館でありたいという願いが込められています。

館内には10のスクリーンがあり、計1,941席（車いす席20席含む）の座席が用意されています。全スクリーンがDLP（デジタルシネマ）上映に対応しており、クリアで鮮明な映像を楽しむことができます。また、4つのスクリーンは35mm映写機を備え、フィルム上映ならではの味わい深い映像体験を提供しています。さらに、4つのスクリーンでは3D（RealD方式）上映も可能で、迫力のある映像を体感できます。

ロビーは片側がガラス張りになっており、天気の良い日には富士山の雄大な姿を一望できます。また、静岡市中心部に位置し、テレビ局も多いため、俳優や監督による舞台挨拶が頻繁に行われるのも特徴です。映画ファンにとって、作品だけでなく、特別な体験も楽しめる場所となっています。

歴史

開館前

静岡市葵区七間町は、かつて「映画館の街」として知られていました。静活株式会社は、この地で静岡オリオン座をはじめとする4館9スクリーンの映画館を運営していました。2010年時点で、七間町には5館13スクリーンが集まり、その規模は全国でも稀なものでした。しかし、2000年代に入ると、全国的にシネマコンプレックス（シネコン）が広がり、従来の映画館は厳しい状況に置かれるようになりました。2009年に新静岡センターが閉鎖された際、跡地再開発を機に、静活は七間町の映画館の機能を移転するシネコンの建設を計画しました。そして、2011年10月5日、複合商業施設「新静岡セノバ」の開業と同時に、シネシティザートが開館しました。

静岡市におけるシネコンとしては、清水区のMOVIX清水に次ぐ2館目ですが、旧清水市を除けば初のシネコンとなります。シネシティザートの開館直前には、七間町にあった静活運営の映画館が一斉に閉館。これにより、七間町の映画館は日映株式会社が運営する静岡東宝会館のみとなりました。

開館後

開館後も、シネシティザートは常に新しい試みに挑戦しています。2016年12月31日には、シアター1にコンサートホール用のサブウーファーを設置し、一部作品で重低音を強化した体感上映を開始しました。これは、映画館で音楽ライブのような迫力を体験できるもので、静岡県の映画館では初の試みでした。重低音体感上映の第一弾作品は、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー|ローグ・ワン_スター・ウォーズ・ストーリー』でした。

2018年には、2018 FIFAワールドカップの日本代表戦でパブリックビューイングを実施。また、『名探偵コナン ゼロの執行人』では応援上映（マサラ上映）を行い、観客が一体となって映画を盛り上げました。さらに、インド映画『バーフバリ』シリーズでは絶叫上映（マサラ上映）を開催し、タンバリンやクラッカーを使った、より自由な鑑賞スタイルを提供しました。

基礎情報

所在地

静岡県静岡市葵区鷹匠1-1-1 新静岡セノバ9階

アクセス

静鉄静岡清水線新静岡駅に直結。JR東海道本線静岡駅から徒歩5分。

まとめ

シネシティザートは、単なる映画館ではなく、映画を愛する人々が集い、新しい体験を共有できる場所です。美しい景色を眺めながら映画を楽しんだり、イベントに参加したり、自分なりのスタイルで映画を満喫できます。これからも、地域の人々に愛され、映画文化を牽引する存在として、進化を続けていくでしょう。

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