シルヴェス

シルヴェス（Silves）は、ポルトガル南部のアルガルヴェ地方に位置する都市です。面積は約678.75平方キロメートル、2004年時点での人口は約34,909人です。

地理

シルヴェス市内にはアラーデ川が流れ、アラーデダムとフンチョダムという二つのダム湖を形成しています。地形は全体的に丘陵が多く、南端は大西洋に面しています。この地形と水資源が、シルヴェスの歴史と文化に深く関わってきました。

歴史

シルヴェス地域には、旧石器時代から人が居住していたと考えられており、その時代の遺跡も発見されています。アラーデ川は、内陸部と海を結ぶ交易路として重要な役割を果たしました。シルヴェスの町は、ローマ帝国の侵入の頃に建設されたと考えられています。

713年以降、イベリア半島に侵入したムーア人の支配下に入り、後ウマイヤ朝の都市として繁栄しました。10世紀には、アル＝アンダルス（イベリア半島のイスラム支配地域）の西部の重要な都市の一つとして、政治、経済、文化の中心地となりました。1027年にはタイファ（小王国）として独立を果たしましたが、1156年にはムワッヒド朝の支配下に入りました。

1189年、ポルトガル王サンシュ1世によるレコンキスタ（国土回復運動）により、一時的にポルトガル領となりましたが、ムワッヒド朝によって再び奪還されました。その後、1242年にパイオ・ペレス・コレイア率いるサンティアゴ騎士団によってポルトガル領となり、モスクは大聖堂へと改築されました。このレコンキスタの過程で、シルヴェスはキリスト教世界とイスラム世界の衝突の舞台となり、その歴史的背景が街の景観や文化に色濃く残っています。

交通

シルヴェス駅は、ポルトガル国鉄アルガルヴェ線の駅で、シルヴェスの中心部から約1.5km離れた場所に位置しています。アルガルヴェ地方の他の都市へのアクセスに利用されています。

外部リンク

* Município de Silves

シルヴェスは、その豊かな歴史と美しい自然が魅力の都市であり、多くの観光客が訪れます。ムーア人時代の城や大聖堂など、歴史的な建造物が多く残っており、当時の繁栄を偲ぶことができます。また、周辺の丘陵地帯では、ハイキングや自然観察を楽しむことができます。

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