シーシェパード

シーシェパードとは：海洋保護を掲げる国際環境保護団体

シーシェパード環境保護団体（Sea Shepherd Conservation Society）は、海洋生物の保護を目的とした国際的な非営利環境保護団体です。1977年に、グリーンピースを脱退したポール・ワトソンによって設立されました。本部はアメリカ合衆国ワシントン州フライデーハーバーにあり、オーストラリアを母港としています。

過激な活動と批判

シーシェパードは、捕鯨船への体当たりや酪酸の投げつけなど、反捕鯨のための過激な直接行動で知られています。そのため、日本、アメリカ、カナダの政府からテロリストと名指しされたこともあり、捕鯨関係者からは「エコテロリスト」と呼ばれています。アメリカ連邦高裁からは海賊（海上武装勢力）の認定を受けており、法務省は主要メンバーの日本入国を拒否しています。代表のポール・ワトソンはICPOから国際指名手配されたこともあります。

主な活動

捕鯨妨害: 南極海での日本の調査捕鯨に対し、妨害活動を繰り返しています。船を衝突させたり、酪酸を投げ込んだりするなどの行為は、国際的にも非難されています。
イルカ漁反対: 日本のイルカ漁、特に和歌山県太地町のイルカ漁に強く反対し、抗議活動を行っています。漁網の切断や漁業者への妨害行為などが問題視されています。
密漁取締: 南米エクアドルのガラパゴス諸島で、現地の海保当局と共同で密漁取締を行っています。

活動の歴史

シーシェパードは、設立当初から数々の抗議活動を行ってきました。以下に主なものを挙げます。

1979年：ポルトガル沿岸で、捕鯨船シエラ号を体当たりで大破させました。
1986年：アイスランドの鯨加工工場を爆破し破壊しました。
1993年：日本の漁船に銃弾を発砲しました。
2006年：南氷洋で、日本の補給船オリエンタルブルーバードに体当たりしました。
2007年：日本の調査捕鯨母船日新丸に対し、酪酸入りの瓶を投げつけました。
2010年：日本の監視船第2昭南丸と衝突し、アディ・ギル号が沈没しました。

法的措置と影響

シーシェパードの活動に対し、各国で様々な法的措置が取られています。日本では、威力業務妨害容疑などでメンバーの逮捕状が請求され、国際指名手配も行われています。アメリカでは、連邦高裁から海賊と認定され、妨害行為の差し止め命令が出されました。

シーシェパードの過激な活動は、環境保護に対する意識を高める一方で、暴力的な手段や法を無視する姿勢が批判されています。また、日本の捕鯨問題やイルカ漁問題に国際的な注目を集めるきっかけとなりました。

シーシェパードを巡る議論

シーシェパードの活動は、環境保護の手段として正当化されるのか、それとも単なるテロ行為なのか、様々な議論があります。

肯定的な意見: 海洋生物の保護のために、積極的な行動が必要である。既存の法律や規制では、十分な効果が得られない。
否定的な意見: 暴力的な手段は許されない。法を無視する行為は、社会の秩序を乱す。日本の伝統的な漁業文化を尊重すべき。

メディア戦略と資金調達

シーシェパードは、メディアを積極的に活用し、活動をアピールしています。アニマルプラネットで放送されたドキュメンタリー番組「鯨戦争（Whale Wars）」は、シーシェパードの活動を記録したもので、世界中で人気を博しました。また、各界の著名人からの寄付や、Tシャツなどのグッズ販売によって、活動資金を調達しています。

日本との関わり

シーシェパードは、日本の捕鯨やイルカ漁に強く反対しており、日本との間で長年にわたり対立が続いています。日本の調査捕鯨船への妨害活動や、太地町のイルカ漁に対する抗議活動は、日本国内でも大きく報道され、議論を呼んでいます。

今後の展望

シーシェパードは、今後も海洋生物の保護を目的とした活動を継続していくとみられます。しかし、過激な手段や法を無視する姿勢は、依然として批判の対象となるでしょう。シーシェパードの活動が、海洋環境保護にどのような影響を与えるのか、今後の動向が注目されます。

参考情報

シーシェパード公式サイト
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ドキュメンタリー番組「鯨戦争（Whale Wars）」

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