ソラニン

ソラニンとは

ソラニン（英: solanine）は、ナス科の植物に自然に含まれるステロイドアルカロイドの一種です。化学式はC45H73NO15で表され、分子量は約868.07です。CAS登録番号は20562-02-1。

特にジャガイモの表皮や芽、ホオズキ、イヌ[[ホオズキ]]などに多く含まれています。トマトの葉には、類似の物質であるトマチンが含まれています。現在では、ソラニンとチャコニンをまとめてポテトグリコアルカロイド(PGA)と呼ぶことが一般的です。

ソラニンの毒性

ソラニンは神経に作用する毒性を持っており、中毒になると溶血作用を引き起こします。主な症状としては、頻脈、頭痛、嘔吐、胃炎、下痢、食欲減退などが現れます。また、可逆的なコリンエステラーゼ阻害作用も有しています。動物実験では、催奇性が報告されています。

成人の中毒量は約200〜400mgと推定されており、小児の場合はその約10分の1程度とされています。中毒の兆候が見られた場合は、24時間の入院観察が必要となることがあります。大量に摂取した場合は、昏睡状態に陥り、最悪の場合、死亡することもあります。

ソラニン中毒の防止法

市販されているジャガイモのソラニン含有量は、皮部で約50mg、可食部100gあたり平均約1.5mgです。しかし、自家栽培のジャガイモはソラニンの含有量が多い傾向にあり、皮部で約70mg、可食部100gあたり平均約45mg（30〜90mg）となることがあります。そのため、ジャガイモ100g中の含有量が20mgを超えるものは、食用を避けることが望ましいとされています。

特にジャガイモを調理する際は、以下の点に注意することで、中毒のリスクを減らすことができます。

芽を完全に取り除く
ソラニン含有量の多い小型のジャガイモを避ける
皮を厚く剥く、または取り除く
ジャガイモを日光に当てないように保存する
切ったジャガイモをよく水にさらす

特に、中毒に至る量の少ない子供にジャガイモを与える場合は、上記の点に十分注意する必要があります。

ソラニン中毒の治療

ソラニン中毒に対する特効薬は存在しません。治療は、主に以下の方法で行われます。

胃洗浄
吸着剤の投与
下剤の投与

これらの治療は、ソラニンの吸収を抑制し、体外への排出を促すことを目的としています。

関連項目

ソラニジン: ソラニンのアグリコン
ワルナスビ
タマネギ[[中毒]]

外部リンク

自然毒のリスクプロファイル：高等植物：ジャガイモ 厚生労働省
じゃがいもの芽（ソラニン） (PDF) 公益財団法人 日本中毒情報センター
ジャガイモ中のα-ソラニン，α-チャコニンの含有量および貯蔵中の経時変化 食品衛生学雑誌
* ジャガイモとソラニン 日本大学薬学部薬用植物園

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