ターザン後藤

ターザン後藤：鬼神と呼ばれたデスマッチレスラー

ターザン後藤（本名：後藤政二）は、1963年8月16日生まれ、2022年5月29日に逝去した日本のプロレスラー。その波乱万丈な生涯は、大相撲からプロレスラーへの転身、FMWでの活躍、そして謎に包まれたFMW離脱など、数々のドラマに彩られています。

大相撲からプロレス界へ

後藤は中学校卒業後、九重部屋に入門し、1979年3月場所に「後藤」の四股名で初土俵を踏みました。同期には後の横綱・北勝海や小結・孝乃富士がいましたが、足裏の怪我に悩まされ、同年11月場所で廃業。その後、全日本プロレスに入門し、1981年2月に越中詩郎戦でデビュー。ジャンボ鶴田の付き人を務めながら、着実に実力をつけました。

FMWでの活躍

1989年、大仁田厚の誘いを受けFMW旗揚げに参加。「ボートピープル・ジョー」として登場後、マスクを脱ぎ捨て「後藤だ、帰って来たぞ〜！」と叫んだシーンは、今も語り草となっています。大仁田との有刺鉄線デスマッチは、過激な演出で観客を魅了し、プロレス大賞年間最高試合賞を受賞。川崎球場での電流爆破デスマッチでは、3万人以上の観衆を動員しました。

"鬼神"のニックネームが定着し、FMWファンから絶大な支持を得ましたが、1995年4月、大仁田の引退試合直前に謎のFMW離脱。その真相は現在も明らかにされていません。

FMW離脱後の活動

FMW離脱後は、IWA・JAPAN、大日本プロレス、東京プロレスなど、様々な団体で活躍。「真FMW軍」を率い、インディー団体を股にかけて暴れ回りました。UFC参戦を希望するも、その過激な試合スタイルから拒否されるというエピソードも残っています。

2000年代に入ると、自身の団体「ターザン後藤一派」を率い、インディープロレス界で活動。2002年には春日部インディーズアリーナを設立し、若手選手の育成にも力を注ぎました。晩年は、スナック経営やラーメン店での修業など、プロレス以外の仕事にも従事しました。

突然の訃報

2022年5月29日、肝臓がんのため58歳で死去。その突然の訃報は、プロレス界に大きな悲しみをもたらしました。大仁田厚は「うまく行くかすぐつぶれるか分からないFMWを立ち上げて、すぐ電話をしたらアメリカから帰国してくれた。そんな後藤を迎えに成田まで行ったことが昨日のようでショックだ」とコメントしています。

ターザン後藤の功績

ターザン後藤は、FMWという特異な団体で、その名を轟かせたプロレスラーでした。大仁田厚とのデスマッチは、プロレス界に新たな風を吹き込み、多くのファンを魅了しました。また、若手選手の育成にも力を注ぎ、ハヤブサ、雁之助、田中将斗など、数多くの名レスラーを育て上げました。彼の功績は、これからもプロレス史に刻まれることでしょう。

タイトル歴

WFDA世界マーシャルアーツ王座
WFDA世界マーシャルアーツタッグ王座
IWA世界ヘビー級王座
IWA世界タッグ級王座
NWA世界タッグ王座
フロリダPWFヘビー級王座
レッスルブレインタッグ王座
CWA世界タッグ王座

得意技

ゴーストバスター
フェイスバスター
バックスピンキック
ラリアット
* フライングボディプレス

ターザン後藤は亡くなりましたが、彼の魂は、彼が育てたレスラーたち、そして彼の試合を記憶する多くのファンの中に生き続けています。

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