ドン荒川

ドン荒川の伝説

ドン荒川（本名：荒川真、1946年3月6日 - 2017年11月5日）は、日本のプロレスラーとして名を馳せた存在です。鹿児島県出水市出身で、学生時代は柔道を学んでいましたが、その後プロレスの道に進みました。彼のプロレスデビューは1972年、新日本プロレスで行われたリトル浜田戦でした。その後、彼の活躍は瞬く間に多くのファンの心を掴みました。

学生時代とデビュー

荒川は、鹿児島県の出水学園出水中央高等学校を卒業後に上京し、本格的にレスリングを学び始めました。学生時代には、競技中にドロップキックで反則負けになったエピソードがあり、この珍事の対戦相手は後に国会議員となる松浪健四郎でした。1972年7月にプロレスの世界に足を踏み入れ、2ヶ月後にはデビュー戦を成功させます。

新日本プロレスでの活躍

荒川は、同じ鹿児島からのライバル栗栖正伸と共に「鹿児島選手権」として注目を浴びました。1979年にはプエルトリコに初の遠征し、カルロス・コロンが主催するWWCで、ケンドー・キムラと組んでタッグ王座を獲得。この遠征では自己申告ながら46戦中45勝という実績を残しました。荒川は新日本プロレスのストロングスタイルに対抗し、永源遙と共に「ひょうきんプロレス」を展開し、ユーモアに富んだ技を披露してファンを楽しませました。

転機と復帰

1989年3月に現役を一旦退いた後、1990年には新団体SWSへの入団を発表し、再び現役復帰を果たしました。1992年にはSWSが崩壊しましたが、荒川はその後も精力的にリングに立ち続けました。特に1996年、全日本プロレスに初参戦した際は、ジャイアント馬場との対戦も実現しました。

晩年の活動と人柄

約18年ぶりに新日本プロレスのリングに戻った荒川は、試合後も若手選手の指導に尽力し、2011年にはNJPWグレーテストレスラーズを受賞しました。明るい人柄で、タニマチとの交流を大切にした彼は、多くの人々に親しまれました。「全国の美味しい物が食べられたので、本当にありがたい」と語るほど、周囲への感謝を忘れなかった人物でした。

逸話やユニークなエピソード

荒川には数多くの興味深いエピソードがあります。例えば、合宿所で食べ過ぎて病院に運ばれた後も、彼は元気に食事を求める姿を見せたことからも、彼のユーモアセンスが伺えます。また、歌手としても活躍し、日本テレビ系ドラマ『池中玄太80キロ』ではレギュラー出演も果たしました。

彼の試合スタイルは独特で、斬新な技を駆使してファンを楽しませました。数々の技には、「カンチョー攻撃」や「ローリング・キョンシー・アタック」など、ユニークなものが多かったです。

ドン荒川は2017年に71歳で亡くなりましたが、その存在感と多彩な人生は、今も多くのファンの記憶に刻まれています。彼のキャリアにおける数々の功績と人間的魅力は、プロレス界において不朽のものとして語り継がれることでしょう。

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