ネオジオフリーク

ネオジオフリーク：ネオジオ黄金期の証言

1995年5月、ゲーム業界に新たなムーブメントが誕生しました。芸文社から創刊されたゲーム雑誌『ネオジオフリーク』です。本誌は、SNK（旧社名）のゲーム機ネオジオとその周辺情報に特化した、類を見ない専門誌でした。

その内容は、ネオジオで発売されたゲームの攻略情報から、開発者インタビュー、SNK関連の最新ニュースなど、ネオジオユーザーにとって垂涎の的となる情報を網羅していました。特に、対戦格闘ゲームが人気を博していた当時、その戦略やテクニックを深く掘り下げた記事は、多くのプレイヤーを魅了しました。

『ネオジオフリーク』は、新声社の『ゲーメスト』とともに、ネオジオ人気の二本柱として、日本のゲーム文化を支える存在となりました。発行期間は5年半に及び、多くの読者から愛され、ネオジオの歴史を語る上で欠かせない存在となりました。

しかし、2000年11月、12月号をもって『ネオジオフリーク』は休刊を迎えます。背景には、当時対戦格闘ゲームの人気低迷が深刻化していたこと、そしてSNK自身の経営危機がありました。休刊発表直前、SNKはアーケードゲーム開発の縮小を発表しており、経営状況の悪化は急速に表面化していました。

休刊は多くの読者にとって衝撃的な出来事となりました。しかし、『ネオジオフリーク』で培われた編集力とライター陣の実力は、その後も業界に大きな影響を与え続けました。休刊後、本誌の攻略ライターの一部はエンターブレインへと移籍し、旧『ゲーメスト』の編集者と共にアーケードゲーム専門誌『月刊アルカディア』の創刊に携わったのです。

その後、2005年3月号から、ソフトバンククリエイティブ発行の『ドリマガ』（現ゲーマガ）にて『ネオジオフリーク』という連載がスタートしました。しかし、こちらはSNKプレイモア（のちの2代目SNK）のファンページという位置付けであり、芸文社版とは全く別のものです。

なお、前身となる媒体として、SNK自身が1994年まで18号に渡り発行していた広報誌『ネオジオクラブ』の存在も忘れてはなりません。『マイコンBASICマガジン』においては、「ネオジオクラブ出張所」という連載も展開されていました。

『ネオジオフリーク』は、単なるゲーム雑誌ではありませんでした。それは、一つのゲーム機、そしてその開発会社への熱意と情熱が凝縮された、時代を彩った貴重な記録です。ネオジオ黄金期の熱狂と、その終焉を垣間見ることができる、まさに歴史的資料と言えるでしょう。ネオジオというハードウェア、そしてそれを支えた人々の物語が、この雑誌に刻まれています。そして、その記憶は、これからも多くのゲーマーたちの心に生き続けることでしょう。

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