ボール紙

ボール紙の概要とその歴史

ボール紙とは、元々藁パルプを素材として作られた板紙のことを指します。その名前は、英語の「board」に由来しており、板やボードのことを示しています。最近では、木材パルプを使用して作られる白ボールなども登場し、これらの板紙をまとめてボール紙と呼ぶことが一般的になっています。特に藁パルプを使用したボール紙は「黄ボール」と呼ばれ、その他にも「布ボール」「マニラボール」「茶ボール」「チップボール」「コートボール」といった多様な種類があります。

ボール紙は、主に紙箱や本の表紙などに使用され、段ボールの原料にも用いられています。段ボールという名称も、ボール紙が原材料に使用されていることに由来していますが、現在では古紙が主要原料として使われています。

日本におけるボール紙の国産化

日本においてボール紙が国産化されたのは明治時代の初期まで遡ります。その時代には板紙が国内で生産されておらず、すべて輸入に依存していました。しかし、明治9年に佐久間貞一によって国産の板紙製造が成功し、明治21年にはその量産化にも成功します。この国産化により、ボール紙は産業や文化に大きな影響を与えました。

特に、ボール紙の普及は「めんこ」などの大衆文化の発展に寄与しました。昭和の中ごろまでは、黄ボールが主流であり、雑誌の付録や学校での工作教材などもほとんどが黄ボールで作られていました。この黄ボールは、その色合いや質感が馬糞のように見えるため、一般的には「馬糞紙」とも呼ばれました。

白ボールの台頭

昭和40年代中ごろからは、白ボールが次第に普及し始め、黄ボールにとって代わることとなります。この変化により、黄ボールの使用は次第に減少し、目にする機会も少なくなっていきました。また、白ボールの登場により、より明るく、クリーンな印象の包装材や出版物が増えていったのです。

総括

ボール紙はその製造過程や質感により、特定の用途で多くの人々に親しまれてきました。国産化とその後の発展は、日本の紙文化に重要な影響を与え、今日の私たちの生活においても欠かせない素材の一つとなっています。このように、ボール紙は単なる素材ではなく、日本の歴史や文化に深く根ざした存在であることが理解できるでしょう。

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