モルガ

モルガ (MOLGA)

モルガは、トミー（現タカラトミー）が展開する玩具シリーズ『ゾイド』に登場する、昆虫をモチーフとした架空の兵器です。本記事では、その基本情報からバリエーション機、キットモデル、作中での活躍までを幅広く解説します。

概要

モルガは『ゾイド』第1期シリーズ（1983～1990年）から登場し、1984年に最初の玩具商品が発売されました。開発にあたっては、モスラの幼虫がモチーフの一つとして取り入れられています。同時期にゴジラをモチーフとしたゴジュラス、ラドンをモチーフにしたサラマンダーとの対比が語られています。

設定解説

モルガは、ゼネバス帝国軍およびガイロス帝国軍で使用された昆虫型ゾイドです。設計はゼネバス帝国のガラモス大尉によって行われました。低い車体と重装甲が特徴で、特に頭部装甲は他の部位の2倍以上の厚さを誇り、非常に高い防御力を有しています。

この堅牢な頭部装甲を利用した突進攻撃は非常に有効で、突撃部隊や特殊部隊で重宝されました。コクピットが頭部装甲に守られていること、そして低い姿勢であることから、突撃ゾイドとしては高い生存性を誇ります。また、陸上を走破するだけでなく、地中を掘り進むことも可能です。

中央大陸戦争（ZAC2044～2046年ごろ）では第一線を退きましたが、西方大陸戦争時代にはガイロス帝国軍で再び運用されました。汎用性が高く、様々なバリエーションが存在し、惑星Ziで最大の生産数を誇ります。

背部コンテナには標準でミサイルが格納されていますが、これを降ろすことで兵員や貨物を輸送することも可能です。その汎用性の高さから「歩兵戦闘車」の異名を持ちます。

武装・装備

武装・装備は時代によって異なり、中央大陸戦争時代（第1期シリーズ）と第二次大陸間戦争時代（第2期シリーズ）で呼称が変更されています。

レーザーカッター：顎部に2枚1対で設置される。
グレートランチャー（旧） / 20mmガトリング砲（新）：頭部に4門設置。時代によって装備が変更。
小口径レーザー（旧） / 3Dレーダーアンテナ（新）：尾部先端の突起。こちらも時代によって装備が変更。
多弾頭ミサイル（旧） / 地対空2連装ミサイル（新）：尾部コンテナに格納。

モルガ野生体

モルガの開発ベースとなった野生体は、中央大陸の地底族が古くから家畜として利用してきたゾイドです。トンネルの掘削から物資の運搬、建設作業に使役され、ZAC1900年ごろには簡素な車輪や操縦席を取り付け、部族間紛争にも参加しました。

キット

モルガのキットはトミー（タカラトミー）から発売されています。4つの節から構成され、第2節に内蔵されたゼンマイユニットを動力としてタイヤで走行します。タイヤの偏心により、独特のくねり動作を再現しています。手動ギミックとして、頭部装甲とコクピットハッチの開閉、第3節背面の開閉、2連装ミサイルの旋回が可能です。

海外版では、銀色部分が銀メッキ、小豆色部分が黒色になるなど、多くのカラーバリエーションが存在します。

キットバリエーション

モルガには数多くのバリエーションキットが存在します。

EMZ-03 モルガ：1984年発売の基本モデル。銀色と小豆色の成型色。
EZ-006 モルガ：1999年発売。小豆色部分が濃い赤色に変更された。
モルガ ロクロウスペシャル：成型色を変更し、キャノリーユニットを同梱した限定版。
GZ-001 モルガキャノリー：成型色とシールを変更し、キャノリーユニットを同梱。
モルガ（暗黒軍仕様）：WF限定発売。一部パーツが蓄光パーツに変更。
モルガクリアーバージョン：Z-POINTキャンペーンの賞品。
AZ-08 モルガ：2025年発売予定。幼虫のようなスタイリングに変更され、電動ユニットによる走行が可能。ジャミングアンテナが追加。
REALIZE MODEL RMZ-005 モルガ ガイロスカラー：2025年発売予定の1/100プラキット。可動性、組み立てやすさ、アニメの再現性に重点を置いている。
HMMシリーズ：
EMZ-15 モルガ&モルガ（キャノリーユニット装着型）：ゼネバス仕様とガイロス仕様の2体セット。
EMZ-15 モルガAA&モルガキャリア：AA型とキャリア型の2体セット。
EZ-006 モルガ フルオプションセット：キャノリーユニット、高射機関砲、コンテナを追加した仕様。

作中の活躍

モルガは、バトルストーリーやアニメ、ゲームなど様々なメディアで活躍しています。

バトルストーリー：砂漠の戦いやアルダンヌの森の戦いなどに参加。ゴジュラスのゾイドコアを破壊したことも。
アニメ『ゾイド -ZOIDS-』：盗賊団やガイロス帝国軍が使用。キャノリーユニット装備型も登場。
ゲーム『ZOIDS Material Hunters』：ZOIDS concept art版のデザインで登場。削岩機搭載型にすることも可能。
ゲーム『ZOIDS FIELD OF REBELLION』：キャノリーモルガがノンプレイアブルの小型ゾイドとして登場。

バリエーション機

モルガには、様々なバリエーション機が存在します。

砂漠戦用仕様：デザートイエローで塗装されたモルガ。
情報隊用仕様：通信アンテナや対空レーダーを装備したモルガ。
キャノリーモルガ：キャノリーユニットを装備した長距離攻撃型。
モルガロクロウスペシャル：緑を基調としたカラーリングの機体。
モルガAA：対空仕様の機体。35mm高射機関砲を装備。
モルガキャリア：コンテナユニットを装備した輸送用機体。
ドリルモルガ：頭部にドリルユニットを装備した工兵部隊用機。
ダークポイズン：攻撃力をアップさせたカスタム機体。
タイモルガ：ロケット砲やミサイルで火力を増強した機体。
オルガ：シャチ型の改造機。
サンダーモルガ：ローターを付けて飛行能力を持たせたモルガ。
モルガ（暗黒軍仕様）：黒と緑のカラーリングで装甲が強化された機体。
モルガ成虫体：デザートライガーに搭乗したマヤ・ベルケットの迎えに現れた。
ソニックモルガ：機動力・航続距離が向上したレッドカラーの機体。
ロイヤル仕様：ダークグレーと金を基調としたカラーの機体。
モルガホロテック：全身透明のモルガ。
リルガ：超小型無人兵器。
モルガRM：共和国仕様に変更された鹵獲機。
モバイルモルガ：ジェノザウラーのロングレンジパルスレーザーライフルを装備した改造機。
モルガバリエーション：スカルフェイス隊で運用されたとされる機体。
モルガ「リーコン」：索敵用のレーダーやジャミング用の電子装備を搭載した電子戦用モルガ。
モルガ「ガンシップ」：頭部のグレネードランチャーあるいは20mmガトリングを計四門搭載した後方支援用機。
モルガ「ランチャー」：二連装ロケットランチャーを合計八基搭載した後方支援用のバリエーション機。
モルガ「ガンナー」：50mm対ゾイド用ロングライフルを搭載した狙撃用機体。
モルガ「ブルガン」：モルガAAの対空砲をレッドホーン用のガトリング砲に換装した重砲撃用機体。
モルガ「トレイン」：コンテナを列車状に連結した輸送専用機。

1/1モルガ

2003年のイベント「大ゾイド博」で出展された実物大のモルガ。内部にモニターと操縦桿を備え、臨場感を楽しめるように作られたアーケード筐体に近いものでした。実物大のゾイドが製作されたのは今のところ、モルガのみです。現在は壬生町おもちゃ博物館前にて展示されています。

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