ラルゴ

ラルゴ（Largo）は、イタリア語に由来し、「広い」「大きい」、あるいは「遅い」「長い」といった意味合いを持つ言葉です。この単語は、特に音楽分野で広く知られていますが、それ以外にも様々な事柄の名称として用いられています。

音楽分野での使用

音楽におけるラルゴは、楽譜上で演奏の速度記号として使用されます。これは「ゆるやかに」「幅広く」といった意味で、非常に遅いテンポを指定します。具体的な速度は曲や演奏者によって異なりますが、おおよそ毎分40〜60拍程度が目安とされます。アダージョやレントよりも遅い速度を示す場合が多いです。

また、特定の楽曲や楽章がラルゴの速度で演奏されることから、その楽曲自体が通称として「ラルゴ」と呼ばれることがあります。

ヘンデルの「ラルゴ」: ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル作曲のオペラ『セルセ』のアリア「オンブラ・マイ・フ」は、楽章がラルゴであるため、通称「ヘンデルのラルゴ」と呼ばれます。
ハイドンの「ラルゴ」: フランツ・ヨーゼフ・ハイドン作曲の『エルデーディ四重奏曲』に含まれる「弦楽四重奏曲第79番」も、ラルゴの愛称で知られています。

さらに、音楽アーティストや楽曲名にもこの言葉が見られます。

KOTOKOの楽曲: 歌手KOTOKOの楽曲に「ラルゴ」というタイトルがあり、シングル「リスタート」に収録されています。
音楽ユニットlargo: 木田詩子と内藤慎也による音楽ユニットの名称です。

架空の人物としての登場

様々なフィクション作品に、ラルゴという名のキャラクターが登場します。

『パワーレンジャー・ターボ・映画版・誕生!ターボパワー』の登場人物。
『メガトーキョー』シリーズの登場人物。
アニメ『バブルガムクライシス』および『バブルガム・クラッシュ!』の登場人物。
コンピュータRPG『テイルズ オブ ジ アビス』の登場人物。
シミュレーションRPG『ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡』『ファイアーエムブレム 暁の女神』の登場人物。
映画『ラルゴ・ウィンチ -裏切りと陰謀-』の主人公、ラルゴ・ウィンチ。
漫画『ファイブスター物語』に登場する、ラルゴ・ケンタウリ。
ゲーム『戦場のヴァルキュリア』に登場する、ラルゴ・ポッテル。
漫画『テガミバチ』に登場する、ラルゴ・ロイド（ラルゴ・バロール）。

その他の分野での使用

音楽やフィクション以外でも、ラルゴは様々な固有名詞として用いられています。

言語: スペイン語で「長い」を意味する形容詞です。イタリア語では「長い」はルンゴ（lungo）ですが、広義にlargoも使われます。
日産・ラルゴ: かつて日産自動車が製造・販売していたミニバンタイプの自動車の車名です。
UCC上島珈琲のブランド: UCC上島珈琲が展開するコーヒーブランドの一つです。
ブルガリアの建築群: ブルガリアの首都ソフィアにある歴史的な建築群の名称です。
ラルゴ・エンタテインメント: ローレンス・ゴードンと日本ビクター（現：JVCケンウッド）が共同設立した映画製作会社の名称でした。

このように、ラルゴという言葉は、音楽用語としての基本的な意味に加え、多岐にわたる事柄や存在を指す名称として様々な分野で使われています。その多様な使われ方は、言葉の持つ響きや意味合いに基づいていると考えられます。

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