レッドソニア
1985年にアメリカで製作された映画『レッドソニア』は、剣と魔法の世界を舞台にしたファンタジー・アドベンチャー作品です。この映画の背景となっているのは、ロバート・E・ハワードによる『英雄コナン』シリーズと同じ架空の時代、ハイボリアです。ただし、物語の直接的な原作は、ハワードの短編に登場するキャラクターを基に展開され、人気を博したマーベル・コミック版のレッド・ソニア作品群を元にしています。
日本での公開は変遷をたどりました。当初は『アーノルド・シュワルツェネッガーのキング・オブ・アマゾネス』という邦題で劇場公開されずビデオスルーとなりましたが、その後のアーノルド・シュワルツェネッガー人気を受け、『レッドソニア』のタイトルで改めて劇場公開されています。
概要
本作は、マーベル・コミック版で確立されたレッド・ソニアのイメージを強く踏襲しています。特に、1974年以降のコミック版で定番となった露出度の高いビキニアーマー姿は、主演のブリジット・ニールセンの衣装にも反映されました。ブリジット・ニールセンは本作で映画デビューを果たしましたが、その演技に対して第6回ゴールデンラズベリー賞の最低新人賞を受賞しています。
もう一人の主要キャストとして、アーノルド・シュワルツェネッガーが出演しています。前作『キング・オブ・デストロイヤー/コナンPART2|キング・オブ・デストロイヤー_コナンPART2』で主人公コナンを演じたシュワルツェネッガーでしたが、本作では「カリドー」という準主役のキャラクターを演じました。これは、当初コナン役での出演が予定されていたものの、『コナン・ザ・グレート』の権利をユニバーサル・スタジオが所有していたため、コナンとして登場することが叶わなかったという経緯があります。また、『コナン・ザ・グレート』で高い評価を得たサンダール・バーグマンも、本作では悪役のゲドレン女王を演じており、こちらもゴールデンラズベリー賞で最低助演女優賞にノミネートされる結果となりました。
ストーリー
物語は、永遠の夜が支配する土地を治める悪しき女王ゲドレンの手から逃れた赤髪の少女ソニアが、追手に家族を皆殺しにされ、自身も瀕死の重傷を負う場面から始まります。そこに現れた赤い戦女神は、ソニアを蘇生させ、比類なき力と戦闘能力を授けます。生まれ変わったソニアは、高名な剣術家の下で修行を積み、屈強な女戦士へと成長します。彼女は「自分より強い男には心を許さない」と誓いを立てました。
一方、ソニアの妹ヴァルナは、世界を滅ぼす力を秘めた宝玉「タリズマン」を守護する巫女騎士団の一員でした。世界征服を企むゲドレン女王は、タリズマンを手に入れるため神殿を襲撃。巫女騎士団を壊滅させ、タリズマンを奪います。タリズマンは女性にしか扱えない神秘の秘宝でした。神殿から辛うじて脱出したヴァルナは姉のもとへ向かいますが、ゲドレンの手勢に深手を負わされます。通りかかった剣士カリドーに助けられたヴァルナは、ソニアにタリズマンを封印しなければ世界が破滅すると告げ、息絶えます。妹の仇討ちと世界の危機を救うため、ゲドレン女王の居城があるバークベンへの旅を決意したソニアに、カリドーは同行を申し出ますが、ソニアは彼の申し出を一度は拒みます。
旅の途中、ソニアはゲドレンのタリズマンの力によって滅ぼされたハルボック王国の廃墟で、王子ターンとその従者ファルコンに出会います。ターン王子も復讐を志しバークベンを目指していましたが、ファルコンは危険を案じていました。ソニアに協力を求める王子ですが、ソニアは彼の提案を一蹴し、一人で先を急ぎます。
バークベンへ繋がる山脈の関所に到着したソニアは、関守ブライタグ卿を打ち破りますが、残った兵士に包囲されてしまいます。再び現れたカリドーがソニアを救い、自らは殿となってソニアを先に行かせます。関所を突破したソニアは、山賊に捕らえられたターン王子と再会します。駆けつけた従者ファルコンと共に山賊を退け、王子を救出したソニアは、ファルコンの忠誠心を見て二人の同行を認めます。
ソニアたちの接近を察知したゲドレン女王は、タリズマンの力で嵐を起こし、一行を洞窟へ誘い込みます。洞窟内の凶暴なモンスターに襲われ、絶体絶命の危機に陥ったソニアを、またしてもカリドーが救います。カリドーがタリズマンを巫女騎士団に託した王族の末裔であることを知ったソニアは、ようやく彼の同行を受け入れます。王国再建のため有能な家臣を求めるターン王子は、ソニアとカリドーを結びつけようと、ソニアが求める「自分より強い男」との対戦機会を設けますが、カリドーはわざと引き分け、王子を落胆させます。
ゲドレン女王の城にたどり着いたソニアたちは、ターン王子を城門前に残し、三人で城内へ侵入します。カリドーとファルコンが衛兵と戦う間、ソニアは女王の間へと向かいます。その頃、タリズマンの力が制御不能になりつつあることを悟った魔術師アイコルは、ゲドレンに宝玉の封印を説得しますが、世界支配に憑りつかれた女王は聞き入れません。既に城はタリズマンの反動で崩壊が始まっていました。破滅を予感したアイコルは城の財宝を手に逃亡を図りますが、城門前のターン王子に阻まれ、崩れ落ちる城の中で命を落とします。女王の間に辿り着いたソニアはゲドレンと対峙し、激しい剣戟を繰り広げます。ゲドレンはタリズマンが安置された儀式の間に逃げ込みますが、追ってきたソニアの剣に貫かれ、崩壊する城の裂け目へと落下します。
女王を倒したソニアは、タリズマンを手に取り、城の裂け目から見える溶岩へと投げ込み、災厄の源を絶ちます。駆けつけたカリドー、ファルコン、ターン王子と共に、崩れ落ちる城から無事脱出したソニアは、噴火に飲み込まれるバークベン城を見届け、この永遠の夜の土地を後にするのでした。
スタッフ・キャスト
監督: リチャード・フライシャー
音楽: エンニオ・モリコーネ
レッド・ソニア: ブリジット・ニールセン
カリドー: アーノルド・シュワルツェネッガー
* ゲドレン女王: サンダール・バーグマン
本作は、後年になってリメイク企画が立ち上がったものの、権利や財政的な問題、主演予定だったキャストの降板などが重なり、実現には至りませんでした。
日本での公開は変遷をたどりました。当初は『アーノルド・シュワルツェネッガーのキング・オブ・アマゾネス』という邦題で劇場公開されずビデオスルーとなりましたが、その後のアーノルド・シュワルツェネッガー人気を受け、『レッドソニア』のタイトルで改めて劇場公開されています。
概要
本作は、マーベル・コミック版で確立されたレッド・ソニアのイメージを強く踏襲しています。特に、1974年以降のコミック版で定番となった露出度の高いビキニアーマー姿は、主演のブリジット・ニールセンの衣装にも反映されました。ブリジット・ニールセンは本作で映画デビューを果たしましたが、その演技に対して第6回ゴールデンラズベリー賞の最低新人賞を受賞しています。
もう一人の主要キャストとして、アーノルド・シュワルツェネッガーが出演しています。前作『キング・オブ・デストロイヤー/コナンPART2|キング・オブ・デストロイヤー_コナンPART2』で主人公コナンを演じたシュワルツェネッガーでしたが、本作では「カリドー」という準主役のキャラクターを演じました。これは、当初コナン役での出演が予定されていたものの、『コナン・ザ・グレート』の権利をユニバーサル・スタジオが所有していたため、コナンとして登場することが叶わなかったという経緯があります。また、『コナン・ザ・グレート』で高い評価を得たサンダール・バーグマンも、本作では悪役のゲドレン女王を演じており、こちらもゴールデンラズベリー賞で最低助演女優賞にノミネートされる結果となりました。
ストーリー
物語は、永遠の夜が支配する土地を治める悪しき女王ゲドレンの手から逃れた赤髪の少女ソニアが、追手に家族を皆殺しにされ、自身も瀕死の重傷を負う場面から始まります。そこに現れた赤い戦女神は、ソニアを蘇生させ、比類なき力と戦闘能力を授けます。生まれ変わったソニアは、高名な剣術家の下で修行を積み、屈強な女戦士へと成長します。彼女は「自分より強い男には心を許さない」と誓いを立てました。
一方、ソニアの妹ヴァルナは、世界を滅ぼす力を秘めた宝玉「タリズマン」を守護する巫女騎士団の一員でした。世界征服を企むゲドレン女王は、タリズマンを手に入れるため神殿を襲撃。巫女騎士団を壊滅させ、タリズマンを奪います。タリズマンは女性にしか扱えない神秘の秘宝でした。神殿から辛うじて脱出したヴァルナは姉のもとへ向かいますが、ゲドレンの手勢に深手を負わされます。通りかかった剣士カリドーに助けられたヴァルナは、ソニアにタリズマンを封印しなければ世界が破滅すると告げ、息絶えます。妹の仇討ちと世界の危機を救うため、ゲドレン女王の居城があるバークベンへの旅を決意したソニアに、カリドーは同行を申し出ますが、ソニアは彼の申し出を一度は拒みます。
旅の途中、ソニアはゲドレンのタリズマンの力によって滅ぼされたハルボック王国の廃墟で、王子ターンとその従者ファルコンに出会います。ターン王子も復讐を志しバークベンを目指していましたが、ファルコンは危険を案じていました。ソニアに協力を求める王子ですが、ソニアは彼の提案を一蹴し、一人で先を急ぎます。
バークベンへ繋がる山脈の関所に到着したソニアは、関守ブライタグ卿を打ち破りますが、残った兵士に包囲されてしまいます。再び現れたカリドーがソニアを救い、自らは殿となってソニアを先に行かせます。関所を突破したソニアは、山賊に捕らえられたターン王子と再会します。駆けつけた従者ファルコンと共に山賊を退け、王子を救出したソニアは、ファルコンの忠誠心を見て二人の同行を認めます。
ソニアたちの接近を察知したゲドレン女王は、タリズマンの力で嵐を起こし、一行を洞窟へ誘い込みます。洞窟内の凶暴なモンスターに襲われ、絶体絶命の危機に陥ったソニアを、またしてもカリドーが救います。カリドーがタリズマンを巫女騎士団に託した王族の末裔であることを知ったソニアは、ようやく彼の同行を受け入れます。王国再建のため有能な家臣を求めるターン王子は、ソニアとカリドーを結びつけようと、ソニアが求める「自分より強い男」との対戦機会を設けますが、カリドーはわざと引き分け、王子を落胆させます。
ゲドレン女王の城にたどり着いたソニアたちは、ターン王子を城門前に残し、三人で城内へ侵入します。カリドーとファルコンが衛兵と戦う間、ソニアは女王の間へと向かいます。その頃、タリズマンの力が制御不能になりつつあることを悟った魔術師アイコルは、ゲドレンに宝玉の封印を説得しますが、世界支配に憑りつかれた女王は聞き入れません。既に城はタリズマンの反動で崩壊が始まっていました。破滅を予感したアイコルは城の財宝を手に逃亡を図りますが、城門前のターン王子に阻まれ、崩れ落ちる城の中で命を落とします。女王の間に辿り着いたソニアはゲドレンと対峙し、激しい剣戟を繰り広げます。ゲドレンはタリズマンが安置された儀式の間に逃げ込みますが、追ってきたソニアの剣に貫かれ、崩壊する城の裂け目へと落下します。
女王を倒したソニアは、タリズマンを手に取り、城の裂け目から見える溶岩へと投げ込み、災厄の源を絶ちます。駆けつけたカリドー、ファルコン、ターン王子と共に、崩れ落ちる城から無事脱出したソニアは、噴火に飲み込まれるバークベン城を見届け、この永遠の夜の土地を後にするのでした。
スタッフ・キャスト
監督: リチャード・フライシャー
音楽: エンニオ・モリコーネ
レッド・ソニア: ブリジット・ニールセン
カリドー: アーノルド・シュワルツェネッガー
* ゲドレン女王: サンダール・バーグマン
本作は、後年になってリメイク企画が立ち上がったものの、権利や財政的な問題、主演予定だったキャストの降板などが重なり、実現には至りませんでした。
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