一の橋

北海道下川町の一の橋：歴史と自然が織りなす地

一の橋（いちのはし）は、北海道上川郡下川町に位置する町字です。その名の由来は、地域を流れる名寄川に架かる一番最初の橋、「一の橋」から来ています。郵便番号は098-1331。

地理

一の橋は下川町の東部に位置し、東は西興部村、南は士別市と接しています。西には珊瑠、二の橋、渓和、班渓が、北には再び珊瑠が広がっています。地域は主に農地と山林として利用されており、豊かな自然に囲まれています。

主要な河川として、名寄川、モサンル川、シカリベツ川が流れています。

歴史

一の橋の歴史は、一の橋市街地と幸成（こうせい）という二つの地区を中心に展開してきました。一の橋市街地は、かつて「然別（しかりべつ）」と呼ばれ、1903年（明治36年）のシカリベツ駅逓の開設、1920年（大正9年）の一ノ橋駅の開設を機に、小さな市街地として発展しました。広大な御料林（後の国有林）を背景に、一の橋営林署を中心に木工場などが集積し、林業の拠点として賑わいました。

しかし、昭和末期から平成最初期にかけて、鉄道と営林署が廃止されたことで、一の橋は徐々に衰退していきました。

一方、幸成地区は、殖民区画として上名寄37線から40線にかけての名寄川沿いの開拓が早くから進められました。モサンル川沿いは、昭和初期に存在した「北海道庁下川移住者世話所」の斡旋により開拓が進められ、現在は農林地帯として発展しています。

沿革

1924年（大正13年）1月1日 - 下川村分村に伴い、11字が設置される。
1982年（昭和57年） - 農業基盤整備の換地処分に伴い「字下川」が新設される。
1984年（昭和59年）4月1日 - 従来の字を改正し、一の橋が設置される。

交通

バス: 名士バス興部線が運行。
道路: 国道239号が地域を通過。

施設

現在の一の橋には、以下の施設があります。

下川町一の橋コミュニティセンター（一ノ橋駅跡地）
下川町一の橋住民センター「札天の里」
幸成会館
下川町立知的障害者更生施設「山びこ学園」
下川町立障害者グループホーム「ういる」
一の橋墓地
一ノ橋郵便局

かつて存在した施設

名寄警察署一の橋駐在所
シカリベツ駅逓
一の橋小学校（現：下川町郷土資料展示保存施設「札天山収蔵館」）
一の橋中学校
一の橋営林署

関連項目

下川町
* 幸成駅、一ノ橋駅（廃止）

一の橋は、過去の林業の隆盛と衰退、そして人々の生活の変遷を見つめてきた場所です。現在では、静かな農村風景が広がり、コミュニティセンターなどを中心に地域住民の交流が図られています。歴史と自然が調和したこの地は、訪れる人々に穏やかな時間を提供してくれるでしょう。

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