三遊亭圓橘

三遊亭圓橘（さんゆうてい えんきつ）は、落語家の名跡であり、三遊派の系統から生まれた名前です。現在は六代目がその名を継いでいます。

歴代の三遊亭圓橘

代外三遊亭圓橘: 初代三遊亭圓生門下に初代三遊亭南生から圓橘に改名した人物がいました。
初代三遊亭圓橘: 初代橘屋圓太郎が改名しました。
三代目三遊亭圓橘: 後述します。
四代目三遊亭圓橘: 後に三代目三遊亭小圓朝となりました。

2代目 三遊亭 圓橘

2代目三遊亭圓橘（1837年3月26日 - 1906年7月11日）は、本名を佐藤三吉といい、「薬研堀の師匠」として親しまれました。

人物
麹町出身で、14歳で父を亡くした後、上絵師や料理人として働きながら「京橋連」で落語を披露していました。3代目立川焉馬に入門後、初代三遊亭圓馬門下で三遊亭市馬となりました。
1869年に三遊亭圓朝門下に入り、1873年に真打昇進と同時に圓橘を襲名。一時圓朝と不和になり立川焉馬を襲名するも、後に和解し圓橘に戻りました。
圓朝の七回忌に参列者の前で倒れ、弟子の初代立花家橘之助に抱かれて亡くなりました。
圓朝譲りの人情噺や怪談噺を得意とし、茶道や書画にも精通した人格者として知られました。「圓朝四天王」の一人にも数えられています。

主な弟子
初代三遊亭圓右
初代三遊亭萬橘
2代目三遊亭萬橘
三遊亭橘園
昔々亭桃太郎
初代立花家橘之助

3代目 三遊亭 圓橘

3代目三遊亭圓橘（1868年2月29日 - 1916年10月24日）は、本名を塚本伊勢吉といい、「河内屋の圓橘」や「柳橋の圓橘」と呼ばれました。

人物
紀州藩士の息子で、呉服屋を手伝いながら寄席に通っていました。柳家禽語楼門下で柳家小夏を名乗り、後に初代三遊亭圓遊門下で三遊亭遊七に改名しました。
1902年に初代三遊亭遊朝として真打に昇進し、1908年に3代目圓橘を襲名。容姿が良く、小粋な芸で人気を集めました。「枕草子の殿様」という愛称も持っていました。
軽めのネタや新作落語を得意とし、8代目桂文楽の得意ネタである『寝床』を洗練させました。SPレコードも残しています。

主な弟子
三遊亭圓七
三遊亭橘弥
三遊亭七輔
三遊亭橘三

5代目 三遊亭 圓橘

5代目三遊亭圓橘（1884年11月5日 - 1959年6月23日）は、本名を豊永豊太郎といいました。

人物
東京下谷の生まれで、初代三遊亭圓右門下で右喜松を名乗り、後に三遊亭圓雀、三遊亭若圓右と改名。柳亭左楽門下で柳亭芝楽となり、7代目三笑亭可楽門下で5代目圓橘を継ぎました。
落語や踊りの他、高座でお盆回しも披露し、「盆回しの圓橘」として知られました。晩年は芸人の斡旋業を行っていました。

6代目 三遊亭 圓橘

6代目三遊亭圓橘（1945年11月21日 - ）は、東京都世田谷区出身で、五代目円楽一門会会長を務めています。本名は永島武。

経歴
東京都立向島工業高等学校卒業後、三代目三遊亭小圓朝に入門し、前座名「朝治」を名乗りました。小圓朝の最後の弟子です。
二ツ目昇進後、小圓朝の死に伴い五代目三遊亭圓楽門下に移籍し「友楽」と改名。その後、真打昇進と同時に6代目圓橘を襲名しました。

芸風
人情噺、滑稽噺、文芸ネタなど幅広いジャンルをこなします。

活動
深川東京モダン館で「三遊亭圓橘の会」を定期的に開催しています。

一門弟子
四代目三遊亭小圓朝
四代目三遊亭萬橘
* 三遊亭朝橘

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