下吉田駅

下吉田駅：富士山とレトロな風情が漂う魅力的な駅

山梨県富士吉田市新町にある下吉田駅は、富士山麓電気鉄道富士急行線の駅です。駅番号はFJ14、副駅名は「新倉山浅間公園」と、観光客にとって分かりやすい名称が付けられています。特急列車を含む全列車が停車する利便性の高い駅となっています。

歴史と変遷

1929年（昭和4年）の開業以来、下吉田駅は地域の重要な交通拠点として発展してきました。当初は富士山麓電気鉄道の駅として誕生し、1960年（昭和35年）に富士急行へと社名変更。その後、1978年（昭和53年）に貨物扱いを廃止し、業務委託駅となりました。

2009年（平成21年）には、工業デザイナー水戸岡鋭治氏によるデザインで駅舎がリニューアル。終戦当時の名古屋駅を彷彿とさせるレトロモダンな駅舎は、多くの来訪者を魅了しています。同年、Suica対応となり利便性が向上しました。

2011年（平成23年）には「下吉田駅ブルートレインテラス」がオープン。保存車両の展示やコミュニティースペース「下吉田倶楽部」の開設により、観光客向けの施設も充実しました。

2020年（令和2年）にはダイヤ改正で全特急停車駅となり、さらに副駅名に英語表記も加わりました。同年、ロックバンド「フジファブリック」の楽曲「若者のすべて」と「茜色の夕日」が駅接近メロディーとして採用され、話題となりました。2022年（令和4年）には富士急行の鉄道事業分割に伴い、富士山麓電気鉄道の駅となりました。

駅構造と施設

下吉田駅は島式ホーム1面2線と側線2本を有する地上駅で、駅舎はホームの東側に位置しています。駅舎とホームの間は構内踏切で連絡しており、電鈴式の警報器が設置されています。

2009年にリニューアルされた駅舎はコンクリート平屋建てで、開放感のある高い天井と明かり取りの窓が特徴です。待合所や有人窓口のほか、簡易Suica改札機、自動券売機、Suicaチャージ機なども設置されています。

「下吉田ブルートレインテラス」には、ブルートレインの車両を始め、富士急行線で活躍した様々な車両が保存展示されています。これらの車両は、日中時間帯に駅入場券や普通乗車券の提示で車内見学できるものもあります。保存車両は、スハネフ14形寝台客車、2000形フジサン特急展望車両、165系（前頭部のみ）、5000形トーマスランド号などがあり、鉄道ファンにはたまらないスポットです。

また、駅構内では「富士急電車まつり」が毎年11月頃に開催されています。

利用状況と周辺環境

2021年度の1日平均乗降人員は約236人です。駅周辺は古くからの住宅街が広がり、商店街もありますが、シャッター通りとなっている部分も見られます。「街がミュージアム」と題したイベントが不定期で開催され、若手芸術家らが空家を装飾するなど、新たな魅力創出の試みもみられます。

駅周辺には高い建物が少なく、ホームからは富士山が雄大に望めます。特に、新倉山浅間公園の忠霊塔と富士山を背景にした写真は海外でも人気が高く、外国人観光客の利用も増加しています。

アクセスとその他

駅前に富士急バスの路線バス（タウンスニーカー）が発着する「下吉田駅」停留所があります。また、徒歩10分圏内には中央自動車道の富士吉田バスストップがあり、高速バスの利用も可能です。

下吉田駅は、数々の映画やドラマのロケ地としても使用されており、その歴史の一部を垣間見ることができます。

隣の駅

• - 葭池温泉前駅
• - 月江寺駅

下吉田駅は、歴史と現代が融合した、魅力あふれる駅です。富士山を眺めながら、レトロな駅舎やブルートレインテラスを散策し、独特の雰囲気を味わってみてはいかがでしょうか。

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