中島完一

中島完一 (なかしま かんいち) について

中島完一は1882年2月3日に岐阜県下原村、現在の下呂市金山町下原町で生まれました。大日本帝国陸軍の軍人として、彼の最終階級は陸軍中将です。彼の幼少期は困難に満ちており、十分な教育を受けることができませんでした。そのため、家族を助けるために炭焼きの仕事に従事しました。

完一は14歳の時、東京での学びを決意しました。彼は自らの足で東京までの長い道のりを行き、到着後は牛乳配達や新聞配達をしながら勉学に励みました。しかし、眼病に悩まされ、命を絶とうとし隅田川に入水自殺を図ろうとする運命的な事件が起きましたが、通りすがりの人力車の客に助けられます。この出来事をきっかけに、彼はその客からの支援を受け、学業を続けることができました。

その後、彼は陸軍幼年学校、さらに陸軍士官学校を経て、陸軍大学校を卒業しました。教育を受けた後、完一は軍務に就き、陸軍のエリートとしての道を歩み始めます。陸軍大学校在籍時には、秩父宮雍仁親王に通信に関する講義を行った実績があり、また、中国・天津では蔣介石や張学良の軍事教官としても知られています。中国との関わりが深かったため、彼は自身が中国に出征することはありませんでした。

1943年2月19日、彼は東京大学付属病院でこの世を去りました。彼の号は金剛院徳光義寛居士であり、後継者として山下奉文司令官の参謀を務めた岡村愛一少将が挙げられています。

年譜

中島完一の生涯は、数々の重要な出来事によって彩られています。以下は彼の年譜です：

• - 1904年（明治37年）: 陸軍士官学校に入校
• - 1905年（明治38年）: 3月30日に陸軍士官学校を卒業、4月21日に陸軍工兵少尉に任官
• - 1912年（大正元年）: 12月13日、陸軍大学校に入校
• - 1915年（大正4年）: 12月11日に陸軍大学校を卒業（27期）
• - 1929年（昭和4年）: 8月1日に陸軍工兵大佐、陸軍通信学校教官に就任
• - 1931年（昭和6年）: 3月11日、工兵第5大隊長に就任
• - 1932年（昭和7年）: 4月11日、電信第2聯隊長に任命
• - 1934年（昭和9年）: 1月23日、基隆要塞司令官に就任、3月5日に陸軍少将に昇進
• - 1935年（昭和10年）: 3月15日、陸軍通信学校長に就任
• - 1937年（昭和12年）: 8月2日、待命して陸軍中将に昇進、8月22日には予備役に入る

彼は生涯を通じて陸軍の発展に尽力し、従三位、勲二等を受けるなど、その業績は評価されています。中島完一の物語は、教育を通じて自らの運命を切り開く姿や、数々の困難を乗り越えて成し遂げた功績を示すものです。

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