亀戸天神社

亀戸天神社

亀戸天神社は、東京都江東区亀戸に位置する神社で、学問の神様として知られる菅原道真公（菅公）をお祀りしています。地元では「亀戸天神」「亀戸天満宮」「東宰府天満宮」などの名で親しまれ、多くの人々に愛されています。

祭神

天満大神（菅原道真公）: 学問の神様として広く信仰されています。
天菩日命: 菅原家の祖神。

歴史

亀戸天神社の創建は、正保年間（1644年 - 1647年）に遡ります。菅原道真公の末裔である太宰府天満宮の神官、菅原大鳥居信祐が、天神信仰を広めるために諸国を巡り、寛文元年（1661年）に江戸の本所亀戸村に辿り着きました。彼は、元々あった天神の小祠に道真公ゆかりの飛梅で彫った天神像を奉祀したのが始まりとされています。

当時、明暦の大火からの復興を目指していた江戸幕府は、本所を復興開発事業の地と定め、四代将軍徳川家綱公がその鎮守神として現在の社地を寄進しました。寛文2年（1662年）には、地形をはじめ、社殿、楼門、回廊、心字池、太鼓橋などが太宰府天満宮を模して造営されました。本殿の扁額は、太宰府天満宮宮司であった西高辻信貞による揮毫です。

古くは、太宰府天満宮に対して「東宰府天満宮」「亀戸宰府天満宮」「本所宰府天満宮」と称されていましたが、明治6年（1873年）に府社となり亀戸神社、昭和11年（1936年）に現在の亀戸天神社となりました。

境内

太鼓橋（男橋、女橋）: 池に架かる太鼓橋は、参拝者の心と体を清める象徴とされています。男橋は過去を、女橋は未来を表すとされ、「三世一念の理」を表しています。歌川広重の『名所江戸百景』にも描かれています。
心字池: 太宰府天満宮を模して造られた池。
亀井戸跡: かつて境内にあった井戸の跡。
おいぬさま
池のカメ: 池には多くのカメが生息しており、その種類も様々です。

主な祭事

うそ替え神事: 毎年1月24日 - 25日に行われ、木彫りの鷽（うそ）が授与されます。「去年の悪しきはうそとなり、まことの吉にとり替えん」という言い伝えがあります。
梅まつり: 例年2月第2日曜日から3月第2日曜日まで開催され、菅原道真公が愛した梅の花が境内を彩ります。境内には300本以上の梅の木があり、道真公の歌碑と銅像も建立されています。
藤まつり: 4月25日から5月5日まで開催され、境内の藤が一斉に開花し、美しい藤色の景色が広がります。太鼓橋の上から見下ろす藤棚は圧巻で、多くの観光客が訪れます。
例大祭・献灯明: 例年8月下旬に開催され、年間で最も重要な祭事です。氏子の家々にご祭神提灯が掲げられ、神輿と曳太鼓が町内を巡行します。献灯明では、夜の境内に1,000個以上の灯明が灯され、幻想的な雰囲気に包まれます。
菊まつり: 例年10月下旬から11月下旬まで開催され、道真公が愛した菊の花が境内を彩ります。

摂末社

御嶽神社: 道真公の師である法性坊尊意僧正を祀る。「卯の神」として知られ、初卯の日には卯槌や卯の神札が授与されます。
花園社: 道真公の妻である島田宣来子と14人の子供を祀る。安産、子宝、立身出世の守護神として信仰されています。
弁天社: 太宰府天満宮の心字池畔の志賀社を勧請したもの。七福神の弁才天として信仰されています。
紅梅殿: 太宰府天満宮の神木である飛梅の実生を勧請したもの。
神牛殿: 道真公と牛との縁から、神牛の座像が奉納されています。神牛に触れると病気が治り、知恵が得られると言われています。

氏子地域

江東区亀戸に位置していますが、氏子地域の大半は墨田区にあります。

アクセス

鉄道:
JR総武線・東武亀戸線 亀戸駅北口より徒歩約15分
JR総武線・東京メトロ半蔵門線 錦糸町駅北口より徒歩約14分
* バス: 都営バス 亀戸天神前バス停下車すぐ

亀戸天神社は、学問の神様としてだけでなく、美しい境内や四季折々の花々を楽しめる観光名所としても人気があります。ぜひ一度、訪れてみてください。

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