京都大学交響楽団

京都大学交響楽団は、京都大学の公式なアマチュアオーケストラです。正式には「京都大学音楽部交響楽団」と称され、一般には「京大オケ」や「KUSO」として知られています。本団体は1916年に設立され、以降、京都市に拠点を置いて活動してきました。

概要

このオーケストラは主に学生によって構成されており、年間を通じて定期演奏会を年2回開催しています。また、夏季には演奏旅行や他の音楽プロジェクトを行い、多彩な音楽活動を展開しています。音楽部長には経済学研究科の教授である依田高典氏が就任しています。

沿革

日本で最初の音楽演奏団体である「五線会」が1915年に結成され、その翌年には京都大学内にオーケストラが発足しました。1917年には「京都帝国大学学友会音楽部」が公式に設立され、同年に初回演奏会が開催されました。この時代に、ベートーヴェンの生誕150周年を記念する演奏会が行われ、交響曲第2番や序曲『コリオラン』が日本初演されました。また、1920年にはチャイコフスキーの『白鳥の湖』の一部が日本初演されました。

更に1921年にはプロオーケストラである「京都フィルハーモニー・オーケストラ」に移行し、同年11月には交響曲第6番（チャイコフスキー）の日本初演を実現。創立から数年の間に、数々の著名な作品が日本で初めて演奏されるなど、その音楽的な進展が図られました。

1936年には創立20周年を祝しての特別演奏会が開かれ、関西における最初のベートーヴェンの交響曲第9番演奏を取り入れました。この時期の常任指揮者には朝比奈隆氏が名を連ね、1937年から1944年まで指揮を行っています。

常任指揮者

京都大学交響楽団は多くの著名な指揮者を常任指揮者として迎えてきました。初代の大村恕三郎氏から始まり、エマヌエル・メッテル氏や朝比奈隆氏、山田忠男氏など、各時期に個性的な指揮者たちがオーケストラを率いてきました。最近では、井上道義氏や大友直人氏などが客演指揮者として参加し、演奏のクオリティをさらに向上させています。

主な出身者

京都大学交響楽団からは多くの優れた音楽家や文化人が輩出されています。著名な指揮者の一人である朝比奈隆氏やノーベル賞受賞者である本庶佑氏、さらには元東京交響楽団の首席フルート奏者である佐々木真氏など、様々な分野で活躍する卒業生を抱えています。

参考文献

- 『京都大学交響楽団100年史』京都大学交響楽団、2019年。
- 『京都大学交響楽団名簿2019』京都大学音楽部先輩会、2019年。

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