今庄駅

今庄駅：北陸本線からハピラインふくい線へ

福井県南越前町今庄地区に位置する今庄駅は、1896年（明治29年）の北陸本線敦賀駅～福井駅間の開業と同時に誕生しました。以来、北陸地方の交通の要衝として、長きにわたって人々の生活を支えてきました。

歴史を彩る変遷

今庄駅は、当初は一般駅として開業し、その後、北陸本線所属駅となりました。1962年（昭和37年）の北陸トンネル開通は、今庄駅の歴史に大きな転換をもたらしました。旧線区間の廃止と同時に、多くの優等列車が通過する駅へと変わっていったのです。

その後、貨物取扱いの廃止を経て、1987年（昭和62年）の国鉄分割民営化によりJR西日本管轄の駅となりました。2017年（平成29年）には駅舎のリニューアルが完了。町産のスギ材を用いた新しい駅舎は、地域の景観と調和した美しい佇まいです。さらに、2018年（平成30年）からはICOCAが利用可能となり、利便性が向上しました。2022年（令和4年）には簡易委託が解除され無人化されましたが、同年8月の集中豪雨による駅周辺の浸水で不通となる事態も発生しています。

そして2024年（令和6年）3月16日、北陸新幹線の金沢～敦賀間開業に伴い、今庄駅は「ハピラインふくい」の駅として新たな歴史を刻み始めました。

駅構造と周辺環境

今庄駅は、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合計2面3線の地上駅です。駅舎とホームは跨線橋で連絡しています。かつては島式ホーム2面4線でしたが、現在の規模に改修されています。無人化前はJR西日本金沢支社の福井地域鉄道部が管理し、南越前町が業務を受託する簡易委託駅でした。駅舎内には観光案内所と売店が併設され、ICカード専用の簡易改札機も設置されています。

北陸本線が杉津駅を経由していた時代には、敦賀方面への列車は急勾配を上る必要があったため、今庄駅で補助機関車を増結・解放する作業が行われていました。現在でも、その名残である給水塔や給炭用のホームが駅構内に残されています。

駅周辺は、かつて北国街道の宿場町として栄えた今庄宿があり、重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。歴史的な建造物が数多く残る、風情ある町並みが広がっています。南越前町立今庄小学校、南越前町役場今庄総合事務所、今庄郵便局といった公共施設も近隣に位置しています。

リニューアルと地域活性化

2005年に南越前町がJR西日本から駅舎を購入し、2014年度からリニューアル事業に着手しました。「今庄まちなみ情報館」を併設した新しい駅舎は、2017年3月に完成。観光案内所や土産販売店も整備され、地域の活性化に貢献しています。情報館内には、1955年頃の今庄駅を再現したジオラマや、北陸本線の旧線に関するパネル展示なども見ることができます。また、2018年には駅前広場の整備が完了し、「今庄駅前ほっこり広場」が開設されました。

今庄駅の未来

今庄駅は、北陸新幹線の開業により、新たな役割を担うこととなりました。ハピラインふくい線として、地域住民の足として、そして観光客誘致の拠点として、その発展が期待されています。かつての賑わいを再び取り戻し、さらに発展していくことを願っています。歴史と未来が交差する今庄駅は、訪れる人々に忘れられない思い出を与えてくれるでしょう。

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