修学院駅

叡山電鉄叡山本線の修学院駅は、京都府京都市左京区山端壱町田町に所在し、駅番号はE05が付与されています。

駅の歴史

修学院駅は、1925年（大正14年）9月27日に京都電燈が運営する叡山電鉄平坦線の駅として開設されました。開業当初は現在の位置からおよそ100メートル北寄りに設けられており、駅の出口は現在のプラザ修学院の裏手にある道に面し、その場所が駅前通りとして賑わっていました。駅の構造や線路の配置は、当時から現在とほぼ同様の形態でした。駅の運営や輸送に関する事務所は、駅の西側、現在の北山通付近に置かれ、駅前通りを挟んで離宮道との間（現在の京福マンションの位置）にも別の事務所や倉庫が存在しました。一方、東側のホーム裏、現在の北山通のあたりは、車庫裏とも呼べる場所で、使われなくなった車両部品などが放置された荒れた状態でした。

1960年代頃までは、出町柳方面行きのホーム入口脇に売店があり、切符売り場も兼ねていました。しかし、普段は上下線とも、改札はなく乗務員や駅員が車両の扉付近で運賃を収受しており、駅への出入りは自由でした。

駅が現在の位置へ移転したのは1970年（昭和45年）のことです。これは、北山通の建設に伴い、南へ約100メートル移動したためです。事務所も現在の化粧室横の建物に移転しました。この建物は、後に叡山電鉄が独立した際に、出町柳駅隣接ビルに本社機能が移るまで、同社の本社事務所（登記上の本店所在地は2012年時点でもここでした）として使用されていました。かつて駅前通りにあった商店の多くは、駅東側に建設されたプラザ修学院へと移転しました。

1980年代頃、駅東側の住宅地には学生アパートが多く、駅周辺には牛丼屋、ハンバーガーショップ、中華レストランといったファーストフード店が次々と進出し、学生が多く集まり、ある種の活気にあふれていました。しかし、当駅の利用客減少や、京都市内の大学が南部へ移転したことなどにより、主要な顧客層であった学生の減少に伴い、これらの店舗は撤退していきました。

同じ頃、修学院車庫では北山通の建設により、一部建物の移動や線路配置の変更が行われました。特に、入口に近い箇所には、叡山電鉄線内で唯一となる複雑な複分岐器が設置されました。また、倉庫兼休憩所として使われていたデナ1形電車の廃車体が撤去されています。その後、ローズマンションの建設や事務所の構内東側への移転がありましたが、線路配置自体は大きな変更なく現在に至ります。

駅構造

修学院駅は相対式ホーム2面2線を有する地上駅です。ホームの大部分は屋根で覆われており、雨天時でも利用しやすい構造です。現在は無人駅ですが、出町柳方面ホームには自動券売機が設置されています。かつては非接触型ICカード「スルッとKANSAI」に対応した自動改札機が設置されていましたが、同カードの取り扱い終了に伴い2016年に撤去されました。駅の出入口は北側の北山通に面した宝ケ池駅寄りにあります。八瀬比叡山口・鞍馬方面ホームの南側には男女共用の化粧室が設置されています。

平日朝のラッシュ時間帯には、上りホームに駅員が配置され、乗車券の確認などが行われます。車椅子などでの移動を考慮した経路も設けられていますが、定期券売り場や化粧室へのバリアフリー対応はされていません。

ホームの有効長は、上下線ともにかろうじて3両編成に対応できる長さがあります。1990年代までは、当駅で1両または2両編成の電車同士の乗り継ぎを行う運用があり、長らく駅員による手旗合図で行われていましたが、末期には簡易的な色灯信号も使用されました。現在のダイヤでは、この駅での乗り継ぎ運用は基本的に行われていません。

出町柳行きのホームに隣接するローズマンションの2階には、叡山電鉄の運輸課が入居しており、定期券販売所では定期券のほか、各種乗車券を販売しています。大人用の回数券は、駅前にあるコンビニエンスストアでも購入できます。

当駅は、叡山電鉄線内で唯一、車両の夜間留置が設定されている駅であり、一部列車では乗務員の交代も行われます。

駅が位置する地域の名称「修学院」は、現在では一般的に「しゅうがくいん」と読まれますが、駅が開業した大正期には「しゅがくいん」と発音されていました。読み方の変遷には諸説ありますが、修学院離宮など、現在でも「しゅがくいん」と読まれる場所も存在します。地名としての「修学院」は、この地に存在した比叡山下の寺院「修学院」に由来するとされており、修学院離宮も地名を採って名付けられました。

駅周辺

修学院駅は北山通に面しており、東大路通の北端部に位置します。駅の南東側には修学院車庫が隣接しており、東側には白川通、西側には川端通があります。京都盆地の北東部に位置し、駅の西側、東大路通と川端通に挟まれた旧大原街道沿いは、古くから続く商店街として知られています。

駅のごく周辺は、東側のプラザ修学院や西隣のフレスコ修学院店（ホーム側からもアクセス可）など、複数のスーパーマーケットが立地する商業エリアとなっていますが、少し離れると北山通や白川通沿いを除き、主に住宅地が広がっています。駅の東側に広がる住宅地は、徒歩圏内としては叡山電鉄の沿線で最も規模が大きく、周辺には多くの観光名所が点在しています。そのためか、当駅を境に先の駅への輸送人員は大きく減少する傾向が見られます。なお、京都市営地下鉄烏丸線の松ヶ崎駅へは、西方へおよそ800メートル離れています。

バス路線については、修学院駅には直接乗り入れていませんが、最寄りのバス停留所は「修学院道」または「修学院駅前」となります。これらの停留所からは、京都市営バスや京都バスの複数の路線が利用可能で、京都市内各方面へのアクセスが可能です。

その他として、かつては京阪電気鉄道との間で、一定区間の乗り継ぎ割引が当駅まで適用されていましたが、2023年4月1日に廃止されました。

また、修学院車庫では毎年「えいでんまつり」が開催され、多くの鉄道ファンで賑わいます。この駅と周辺地域は、人気アニメ作品のモデル地としても知られています。

隣の駅

叡山電鉄
■叡山本線
一乗寺駅 (E04) - 修学院駅 (E05) - 宝ケ池駅 (E06)

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