元敬王后

元敬王后閔氏の生涯

元敬王后閔氏（1365年7月29日 - 1420年8月18日）は、李氏朝鮮の第三代王である太宗の正妃として知られています。彼女は驪興閔氏の出身で、高麗末期に生まれました。閔氏の家系は儒教の名門であり、優れた教育を受けた環境で育ちました。

17歳の時、閔氏は太宗の父にあたる将軍リ・ソンギ（李成桂）と結婚します。夫婦の間には4男4女が誕生し、初めは幸せな家庭を築いていましたが、やがて政治的な波乱が訪れます。閔氏は、彼女の夫が政敵から狙われた際に、巧妙な策を用いて彼を救うことで、朝鮮建国にも一役買いました。

1400年、彼女の夫である芳遠が第3代王に即位すると、閔氏は王后としての地位を得ることになりました。しかし、王室生活は彼女の思い描いていたものとは異なり、不幸が続くこととなります。

太宗は多数の后妃を持ち、その影響で夫婦の関係は次第に冷え込んでいきました。その中で、彼女の弟たちが政権奪還を狙うものとして粛清される事態が発生し、閔氏はさらなる不安に直面します。さらに、彼女の息子である世子（譲寧大君）の行動にも頭を悩ませることになります。

閔氏にとって特に悲劇的だったのは、自身の愛する四男・誠寧大君が天然痘によって14歳という若さで亡くなったことです。彼女はこの喪失に深く悲しむことになりますが、次男の忠寧大君が後に第4代王・世宗として即位することで、少しだけ希望を見出すことになりました。

1418年、太宗が譲位した後、山大妃に昇格しますが、彼女の人生は依然として波乱に満ちていました。1420年、彼女は世を去りますが、その生涯は忠誠と政治を巡る葛藤の中で彩られていました。

出典

• - 『王妃たちの朝鮮王朝』 尹貞蘭 著、金容権 訳 日本評論社 2010年
• - 『朝鮮王宮 王妃たちの運命』 康煕奉 著 実業之日本社 2011年

登場作品

• - 『朝鮮王朝500年』 1983年、MBC
• - 『龍の涙』 1996年-1998年、KBS
• - 『大王世宗』 2008年、KBS
• - 『ポンダンポンダン 王様の恋』、MBC
• - 『六龍が飛ぶ』 2015年-2016年、SBS
• - 『太宗イ・バンウォン』2021年-2022年、KBS
• - 『元敬〜欲望の王妃〜』 2025年、tvN

元敬王后閔氏の物語は、権力の座に上り詰めた一人の女性が直面した運命の波乱を描いています。彼女の生涯を通じて、愛、失望、そして権力に対する複雑な思いが感じ取れるのです。

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