凌統

凌 統について

凌統（りょう とう、189年 - 217年/237年）は、中国後漢末期における呉の武将であり、政治家としても知られています。彼の字は公績（こうせき）で、父は凌操、子には凌烈と凌封がいます。出身地は揚州呉郡余杭県です。彼の名は、国士の風を誇りとした優れた武将として広く知られています。

略歴

彼の軍歴は建安8年（203年）に始まります。父の凌操が夏口攻めで戦死すると、わずか15歳で武将としての道を歩み始めました。孫権から別部司馬・破賊都尉に任命され、その後、建安11年（206年）には山賊討伐に従軍します。この際、同僚の督である陳勤とのトラブルが生じ、凌統は侮辱に耐えかねて陳勤を斬り、その後自首しました。しかし、孫権は彼の功績を認めて罪を許しました。

建安13年（208年）には夏口攻略戦で董襲と共に先鋒を務め、武功を挙げました。そして赤壁の戦いにも参加し、主な戦役の際には常に指揮官として重要な役割を果たしました。建安19年（214年）には皖城を攻め、盪寇中郎将に昇進、さらに沛国の相となりました。

建安20年（215年）には、荊州返還を巡る劉備との対立の中で、呂蒙らと共に荊南三郡を攻めました。合肥の戦いでは、孫権を絶体絶命の状況から撤退させるために300人の部下を率いて奮戦し、見事に成功を収めます。しかし、この戦闘中に重傷を負い、後には孫権の手厚い看護を受けることになります。数回の戦役を経て、凌統は偏将軍に昇進しました。

為政者としての凌統は、呉が常に抱えていた人口不足の問題に対しても意見を述べ、山越の平定と徴兵を進言しましたが、彼の活躍は病により早々に幕を閉じます。彼が病死した時、孫権は深く悲しみ、その功績を讃える銘を作らせました。

没年について

凌統の没年については諸説ありますが、『三国志』呉志において彼が49歳で死亡したとされ、これに従うと237年となります。しかし、別の伝承では彼の没年が217年で29歳であるとの記述も存在し、これについての矛盾が指摘されています。最終的には、彼の没年は建安22年（217年）と考えられています。

人物像

凌統は、平素から優秀な人材を好み、士人との交流を大切にしました。彼は金銭に執着せず、義を重んじる性格であり、国士としての風格を持っていました。また、彼の父である凌操は劉備や孫権に仕えた背景を持ち、凌統自身もその義を受け継いでいました。

彼は甘寧との間に確執があったものの、戦闘において互いに背中を預ける関係を築き、最終的に親交を深めることができました。家族についても、彼の子供たちは孫権によって手厚く養われ、後に評価されたことが知られています。

三国志演義における描写

小説『三国志演義』では、凌統と甘寧の関係が強調されています。216年には曹操の軍と対峙し、数度に渡る一騎討ちが描かれ、凌統の武勇が際立っています。また、夷陵の戦いでも彼の存在感は大きく、周囲の将士たちと共に蜀軍に立ち向かいました。

結論

凌統の短い生涯は、数々の戦役での活躍や、その誠実さと義を重んじる姿勢から、多くの人々に称えられています。彼の功績は今なお、歴史の中で光を放ち続けています。

もう一度検索